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【エネルギー・人口減少とひとの未来生存戦略】

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さて北海道の地域戦略研究機構である道総研の
建築研究本部というのが、北総研の本来的な位置付けです。
写真の鈴木大隆氏は、住宅の省エネがその専門と見られていますが、
氏にお話を伺うと、その本来の任務としての
北海道の「地域未来戦略」の研究者としての側面が、もうひとつ
大きな研究テーマであることも理解出来るようになってくる。
当誌の連載エッセイの〆切のこともあって(笑)、ここ2日ほど、
仙台・札幌と氏の講演に平行して取材しておりましたが、
とくに昨日の北海道大学での講演では、その側面が明確に見えていました。
もっとも、氏の恩師である鎌田紀彦先生からは、
「役人になってきたなぁ」というような印象を言われるとのこと。
なんですが出版人として、住む人・一般庶民の立場で見ていると、
むしろ地域の中でそこに暮らす人のエネルギー問題、人口減少社会問題、
そういうなかで地域と人々はどう生き延びていくべきか、ということは、
まことに根源的なテーマで面白く刺激的だと思います。

写真上は、北海道全域の「土地利用」のマクロ的把握。
どういった未来研究にあたっても、現状がどうであるかの把握は大前提。
わたしどものような門外漢には、こういうマクロ認識からして面白い。
こういう土地利用の現実があって、それぞれについて、
今後のエネルギー縮減型の社会構造を描いていくときに、
どうすればコンパクトでサスティナブルな社会を創造できていくか、
そういう切り口になっていくものと思われます。
きのうのフォーラムは、基本的には工学部・建築のなかでの
「都市計画」的な領域のみなさんが参集されていて、
やや一般人の「生活感」というよりは、社会的なニーズにどう対応するか、
というスタンスでの論議が展開されていました。
当面する世界の最大の問題としてのCO2増加というきびしい現実があり、
それをいかにコントロールし、人口減少がもたらす社会変化のなかでも
この地に暮らすひとびとがどうやったらシアワセに生きていけるか、
そういう方向性を探っていくということであります。
したがって、こういう土地利用状況と、今後予測できる人口減少のなかで、
「地域」としての集合と拡散をさまざまに考えていくという方向性になる。
聞きながら、そもそも「都市計画」と一般人の暮らしの感覚とは、
ある懸隔があるものだと感じ続けておりました。
こうした方がエネルギー的には合目的的であるとか、
CO2削減の観点からは、こうすることがマストというような論議なんですが、
それは大いに共感できるとして、そのような方向性に向けるには
現状の人間社会は、どういう経済的生存を計画していったらいいのか、
そういった内面からの問いがずっと沸き上がってきておりました。
省エネとか、省CO2は大いに共感するとして、
そのような未来社会は、そこでどのように人間が生きていくか、
そのときの仕事、生き方はどういう姿になっていくのか、
環境要因から必然化する省エネ省CO2的な社会構造の中で
普通の人々が、ごく普通に生きていくための生存戦略の視覚が
なかなか難しいと素朴に考え続けていました。
まだ生煮えの感想ですが、このテーマ、掘り下げたいとも思った次第です。

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