さて本日から10日間程度、東北各地に出張いたします。
写真は、縄文時代の北海道と東北の「国宝」であります。
北海道の「中空土偶」と、八戸・是川遺跡の「合掌土偶」です。
わたし的には、このふたつの土偶にはきわめて近似性を感じます。
ひょっとすると制作者は同一人物ではないのかとまで感じる。
その制作ポリシー、姿勢としての強い類縁性が伝わってきます。
北海道と東北の2つのエリアをまたいで仕事しているわけですが、
地政的に北海道はひとつの広域自治体なのに対して
東北は6つの県に分かれているという違いは、当たり前なんですが大きい。
住宅行政についての地域自治体の「施策」に関しても
歴史的に分権である東北では、6つの県でそれぞれ分離している。
北海道では日本の最寒冷地広域自治体として、
住宅政策を独自に持っていて、その部署組織もしっかり確立している。
場合によっては国交省や経産省といった国の行政組織以上の
経験知を持って行政に当たっていて、地域の工務店の
技術力とか実績の把握まで、現場的な現実認識を持っている。
本来は地域として官民が協同して研究し、解決しなければならない問題、
寒冷地としての断熱技術の「公的認証制度」などが、北海道では
「地域認証」として確固としてあるのに、東北地域では存在し得ていない。
行政的なバックアップが可能になっている北海道に対して
東北各県では、対応がそれぞれに分かれざるを得ないので
地場産業である住宅企業に対しての行政支援が決定的に不足する。
結果として、地域に不可欠な製造業・住宅技術の発展が伸び悩む。
両地域にまたがって活動していると基盤的なこうした問題に気付く。
具体的には北海道では、住宅の断熱施工について
「BIS」という技術資格を地域認証として制度化してきています。
北海道では1600〜1700人ほどがこの資格を得て現在活動していますが、
この資格は東北でも強いニーズがあり、これまで300人弱の資格取得者がいた。
ところが、この資格は数年ごとに断熱技術進化に合わせ、
「更新手続き」が義務づけられ、さらに講習受講だけではなく、
「試験」まで実施して、資格制度の実質レベルが保守担保されてきている。
初めは北海道の先進技術を学ぶという強い動機はあるのだけれど、
「更新」には、北海道にわざわざ行かなければ受講できないことから、
2/3以上の方たちが、せっかくの資格を「流して」しまっている。
北海道では行政的支援があっての人数であるのに対して
東北からの応募者はまったく自発的なのに北海道の1/5程度までいた。
今後、住宅性能の「義務化」を間近に控えて、
断熱技術のより広範な拡散、取得は大きな社会的命題でしょう。
またさまざまな国の住宅施策への対応としても、大いに活用可能な資格。
ということで、この資格についての「講習・試験」を
東北・仙台で開催できないか、北海道の関係各機関に働きかけたところ、
たいへん積極的な対応をとっていただくことになりました。
来年早々1月と2月に開催が可能ということでしたので、
多くの東北の住宅技術者のみなさんに、わたし自身やスタッフなどが
ボランティア活動で、ご案内勧誘していきたいと考えています。
ご興味のある方は、わたしまでメッセージをいただければ折り返し対応します。
ぜひ、最寒冷地北海道の住宅断熱技術認証資格BIS、ゲットしてください。
Posted on 10月 4th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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