きのうは宮城県白石市で住宅工務店向けセミナーの講演。
おおまかに、住宅建設業の置かれている状況把握と、
そのなかでどのような経営戦略、生き残り生存戦略が求められるのか、
というようなテーマでお話しいたしました。
大体この手の講演会は夕方もしくは午後イチくらいのスタートと
相場が決まっているのですが、なんときのうは朝イチスタート。
9時半に始まって、昼食で締めるという時間配分でした。
なので、講演者としては朝9時前には会場に入って
パソコンとプロジェクターの相性をチェックし、
動画再生の音量の確認などの準備作業と、
朝一番から気の抜けないスケジュールであります。
そのうえ、前日から打合せ的に主催の東北電力さんと会食。
普段からあんまりお酒は飲まない方ですが、
そのスケジュールもこなしての丸2日間缶詰め状況でありました。
いろいろなお話しをするのですが、
タイトルのような中心テーマでは、図のようなデータをお見せします。
これは北海道内での住宅建設の「担い手」の状況。
2006年から2015年までの「注文戸建て」の状況を示したもの。
ある業界新聞社の調査であるこのデータによると、
この10年間で建築確認戸数は13,272戸から
10,669戸と、約20%マーケットは縮小している。
一方、その戸建て住宅市場で競争している施工者数は、
2,410事業者から、約35%減少して、1,572事業者になっている。
市場は2割減少し、競争者は35%少なくなっている。
結果として、1社あたりの「戸数」は5.5戸から6.8戸に
事業規模が拡大してきている。
そういうように巨視的な事業環境は推移している。
いわば「右肩下がり」という日本の経営環境を仔細に見れば、
多くの業界でこういった事態が進行しているのだと思われます。
人口減少ということは、このような「競争環境」を産み出す。
未来に向かって、前向きに事業に取り組んでいく
そういったいわば、「勝ち組」企業にとって、
事業環境は必ずしも、縮小するばかりではないのだと。
そんなお話しをいたしました。
早朝からの講演を聞かされているみなさんの目がぐっと冴える瞬間(笑)。
別にマジックや詭弁を弄しているのではなく、
冷静に見たデータからの素直な巨視的解析だと思います。
そういう環境の中で、どう方向性を見定めていくのか。
ポイントは環境に立ち向かう主体性の問題ですね。
Posted on 8月 27th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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