きのうから東北に入っております。
以前から連絡をいただいていた宮城県大和町の熊谷一男さん事務所訪問。
5年ほど前に事業を休止されていたツーベアホームさんです。
最近になって事業再開され、既存の建て主さんの住宅の
メンテナンス・リフォームなどで活動を展開されているとのこと。
で、はじめて自宅兼用の事務所を訪問させていただきました。
このご自宅は建てられてから25年が経過しているとのこと。
ちょうどわが家も同じ年に建てていることもあって、
ごあいさつがてら、いろいろな設備関係や性能面、ディテールなどで
意見交換もさせていただけました。
このお宅も、基本性能としては十分な性能を維持されている。
シンプルな切り妻ボックスのツーバイフォーは
人の暮らしを包み込んできた重厚なたたずまいを見せています。
とはいえ、やはりディテールでは経年劣化は必然。
暖房機器も温水セントラルパネル暖房から、いまはエアコンに変更。
いずれはヒートポンプ温水式に変更予定とのこと。
熱源方式を選ばない温水セントラルパネルのメリットですね。
また、建物本体にまといつくように設置されたデッキなど、
メンテナンス・補修が繰り返されてきた様子も見えます。
そういうなかでも、しっかりと軒でガードされた木製窓は
なんの問題もなさそうでしたが、
やはり風雨にさらされる位置の木製窓の塗装については、
経年劣化が見られています。
わたしもわが家の木製窓を交換した経験があるので、
どうしてもそういった部位に目が行って、
ごらんのような出窓の木製窓をチェックしておりました(笑)。
ほぼ塗装だけでのガードではやはり劣化対策としては難しい。
この木製窓はどうも一度も塗装を重ねなかったという紺屋の白袴状態。
しかしこれはこれで、時間の経過を正直に表していて好もしくもあるし、
ヘンな劣化ではなく「風化」を感じさせてくる光景でもある。
方角的には南側に面していて、太陽光線被爆と
長年の雨水にさらされていて、このように塗装の劣化は明瞭。
しかしまぁ塗り直しすれば木製窓自体には問題はないでしょう。
窓の木部自体には十分な「真物」としての耐久力が見られた。
一方で当時使われていた塗料にもさまざまな限界があったことなど、
ざっくばらんに情報交換しておりました。
建物には時間の経過とともに
メンテナンスがきわめて重要。それがいいものを長く使う文化に繋がる。
日本の木造住宅の寿命は30年などと言われていますが、
そういったヘンな「常識」はそろそろお仕舞いにして欲しいものだと思います。
Posted on 8月 26th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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