本文へジャンプ

屏風

7909.jpg
つかの間、札幌にいられたのですが、
本日早朝から名古屋に向かいます。
そのまま、本州中部地域から関東、東北というかたちで行脚します。
結局その用意と、講演で2日間費やされました。
で、なぜか、本日のお題は屏風です。
まぁ、なんの脈絡もありません(笑)。
でも、なぜか屏風というものに惹かれる部分があります。
とはいっても自分で所有したいというものではありません。
わたしの一番好きな絵画は、俵屋宗達の「風神雷神」なのですが、
これは金地に描かれた屏風絵なんですね。
屏風という家具装置は、古く新羅から日本に7世紀渡来されたとあります。
ですから日本のオリジナルではないのですが、
その後時代が下がって、明の時代の日中交易では
必ず3幅の屏風が日本側から送られる慣例だったということ。
受容して変容させ、オリジナリティを加えていくという
まことに日本的なプロセスを経てきている文化なのですね。
で、写真は江戸期の北海道松前藩城下町の再現旅籠のなかにあった屏風。
庶民的なこういう風景装置として、根付いている文化なのです。
いまでもホテルなどでの記者会見などでは
おめでたい席には金屏風が欠かせない背景装置。
西洋では絵画は、キャンバスに描かれるのが一般的。
あちらの建築は石造りが多いので、その壁に絵画を貼るには
油絵のような芸術展着形式がふさわしかったのでしょうが、
こちら日本では、着脱式の壁面そのまま、家具一体型展着方式の芸術になった。
このあたり、日本の住宅様式と大きく関係しているのかも知れないと想像します。
なぜ、東アジア世界でも中国では発展せず、日本で発展したのか、
どうも建築のスタイルの違いが大きいのかなぁと。
それは、中国でも石造りが住宅の基本で、木造が主流というのは
日本に特徴的なことが考えられるのです。
で、木造では構造が線的であって、必ずしも閉鎖的な壁面が必要ではなかった。
障子や襖といった建具で部屋間を仕切分けるのが一般的で、
場合によっては建具を全部取っ払って
大変開放的な空間を作っていた。
そんな民族性のなかで、屏風という簡易的な壁面に絵画が展着された
というのは、そんな背景が大きかったのでしょうね。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.