先日、わが家の新築当時の様子公開には大きな反響でした。
なんでなのか、よくわかりません。
「コンクリートブロック外断熱」っていうイメージが
本州以南地域のみなさんにとって、新鮮なものとして感じられたのかも。
たしかにこの当時、本州地域では安藤忠雄さんが
コンクリート打ち放しの住宅を発表され、もてはやされていた。
ちょうどそれに対置するように北海道では
多くの建築家たちが、このコンクリートブロック外断熱に取り組んでいた。
それは日本の一地方での特異な動きであったのかも知れないけれど、
安藤建築が取り上げられるほどには全国的には注目されなかった。
まぁ無理もないでしょう(笑)。
市場サイズが違いすぎて、取り上げる意味が感じられなかった。
多少は全国メディアも取り上げてはいたけれど、
まぁほとんど、日本全体には伝わっていかなかった。
それはそうなんですが、
しかし、いま思い返してみても、
同じ日本で、ここまで特異な地方的発展を遂げた「建築工法」は
ほかにはないのではないかと再認識させられる。
地域に豊富な資源である火山灰を利用したブロックで
家を建てると言うことは、戦後の早い時期に
北海道の田中敏文知事時代に提起され、地域の独自な建築運動として
やがて高気密高断熱工法を生み出す母体になった。
官の側がむしろ先導するようにして住宅を革新しようともがいていた。
それを大きく支持する民衆的な熱意・盛り上がりがあった。
たぶん、こういった集団的経験が住宅建築に於いて起こったというのは
民族史的にみても稀有な事態だったのだろうと思います。
そういったことのプライド、意味合いが十分に評価継承されていない。
こうした熱気がわたしが住宅建築を考えた25年前当時にはまだしもあり、
建築家グループは、このブロック住宅を外側から断熱する、
ほぼ世界標準的な考え方にたどりついて、
盛んにこういった家を建てていたのですね。
いま、再認識することとしては、その「蓄熱性」評価ということもある。
断熱の先に「蓄熱」という大きな発展テーマは目指されているけれど、
しかし北海道ではすでにこうした建築は実現されている。
さらに、鈍重になりやすいデザインにおいても、
どうやったら、モダンでシャープな印象を持たせられるか、
写真のようなデザインも果敢に追求されていた。<写真は安達治さん>
若い設計者・高村正夫さんの楽しいワンダーランド提案に
ちょっとやんちゃだけど(笑)、チョーワクワクさせられていたのです。
Posted on 1月 31st, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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