さてきのうも引き続き、アース21の例会参加。
2日間の日程で1日目は会員企業その他による住宅見学が中心で
翌日は、テーマを大きく決めての研修が恒例です。
で、今回のテーマはタイトル通り。
国交省の指定する住宅瑕疵担保責任法人 日本住宅保証検査機構
通称JIOさんから講師を招いて、事例について学びました。
で、講演を聞いた後、
今度は、会員同士による活発な事例紹介、意見交換会。
JIOさんの事例はどうしても全国規模での事例紹介で、
外壁がモルタルで通気層もなく、
下地もきちんと施工されていない物件であるなど、
北海道の進化した家づくりの実際とは、相当に違いもあって
やや縁遠い内容であったのに対して、
会員同士の事例紹介では、ちょっと1枚の写真が出てきた途端に
「これは・・・」と即座に多数から発言が飛び出してくる。
活発と言うよりも、百家争鳴とでもいえるようなカオス状況(笑)。
とくに開口部周辺の防水対策については
たいへん活発なやり取り、実際的な発言が相次ぎました。
窓回りの通気層の確保の仕方、水処理は、
対応すべき建材の種類によっても千変万化していく実際が明瞭になって来ます。
軒の出が確保されなくなってきている状況の中で、
窓回りの防水は、施工にあたる事業者にとって、最大の問題。
とくに樹脂サッシ自体の劣化が原因と推定される事態も発表されていました。
その会社の手がけた建物ではなく、
築後20年以上の鉄骨造の住宅での雨漏り原因を調査してきて
考えられる可能性を丹念に潰してきた結果、
どう考えても、鉄骨駆体に接合されている樹脂サッシ隅角部の
劣化破断しか考えられないという状況が報告されていたもの。
さらに北海道で多い、ガルバリウム鋼板外壁と、
建て主さんのたっての希望で取り付けたサンルームとの取り合いで
事故が発生した原因調査も発表がありました。
この場合も、原因特定までに時間がかかり、
ようやく、外壁下端の排水穴とサンルーム接合部の処理という
結論に至るまで、大きな苦労があったそうです。
その論議の過程では、なぜデザイン的にも劣化せざるを得ない
サンルームを希望されるユーザーがいるのか、
その原因推定まで論議が及んで、その対策までが話し合われていました。
北国では雪かき作業が隣人同士のコミュニケーションの機会にもなっていて
その「ちょっとした会話の場所」として、
こうした空間装置が欲しくなる動機が解明共有され
それでは、もう少しデザイン的にも優れた装置化が対応として
工夫されても然るべきではという意見も出ていました。
まことに実際的、現場的な意見交換で
ふたたび三度、大いに勉強になった次第であります。
住まいと水のコントロール、永遠のテーマでありますね。
Posted on 8月 27th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.