神社仏閣めぐりは、わたしの楽しみのひとつであります。
民俗のありようが、その地その地で表出しているような部分があって
そういったものを発見する度に、新鮮な驚きとおかしさがある。
こういう部分では、圧倒的に北海道以外の方が発見の喜びがあります。
どうしても北海道では、そこで暮らしている
ヤマト民族としての歴史記録性が希薄であるし、アイヌの人たちの
そういった部分というのは、まだ普遍的には解明されていない。
神社というのは、戦前の皇国史観や天皇制の弊害への忌避感から、
戦後社会としては、その面白さが十分に理解されていないと思います。
あ、この「天皇制の弊害」の再確認については末尾に記載します。
で、先日、カミさんと北海道苫小牧の近くの厚真町に
1100年代の奥州平泉政権の進出交易拠点遺跡探訪に行ってきた折、
やや立派な神社、厚真神社というまんまの神社に参詣。
特段の知識もなくふらりと立ち寄った次第であります。
参詣して、地元の方とおぼしき方がいたので、
この神社の来歴をうかがったのですが、
やはり明治以降で、北海道神宮の末社、まぁ支店だということ。
そういう意味では、明治の国家神道がゆかりの新しい神さま。
ということなので、あまり強い関心も憶えず、
それなりに(笑)、うやうやしく参詣したのでありますが、
ふと神さまの脇で番をしている狛犬さんに目が移ろって、唖然。
そうなんです、見ての通り、
この狛犬さん、どうやらメスで、かわいい子どもをなでている(笑)。
その様子がまことにユーモラスで、なんともおかしい。
全体としてマンガのようなキャラクター設定で、
作ったひとの感受性の楽しさが伝わってくるかのようであります。
しかも、母子狛犬という設定も、わたしは見たことがない。
まったく期待していなかった瞬間に、
驚くべき民俗的ツッコミが襲ってきた感がありまして、
まことに不意打ちのような、喜びでありました。
その喜びに、つい、お賽銭の額も一段階アップさせられた次第(笑)。
きのうのブログで、書き足りなかった点、追記です。
孫崎亨さんという元官僚の方の講演に対する感想について。
わたしは、いまのリベラル勢力や朝日新聞のような姿勢には
反対の意見を持っている人間ですが、
しかし同時に、戦前の天皇制の弊害に対して自覚的で
そこに慎重に努力してきた戦後社会を支持しているものです。
戦後70年間、天皇の政治的中立性は保守側も慎重に守ってきた。
そうであるのに、今日の安倍政権を非難したい一点で、
天皇の発言の一部を捉えて自説に我田引水している
本来リベラル側である孫崎亨さんの姿勢について、
そこまで、なんでもありなんですかと
強い違和感を感じ、異議を申し立てたいと考えた次第なのです。
言論人としての、そのあまりな視野狭窄に驚かされます。
まぁ、これが契機で自分の意見を自覚させられたという意味では
孫崎さんには感謝しなければならないかも知れませんが・・・。
Posted on 4月 23rd, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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