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和定食のやすらぎ

1923

世界中で和食がブームなんだそうですね。
それって、ごく当たり前だと思うのです。
絶対に和食は、世界最強にすばらしいソウルフードだと思う。

先日宮城県南部を歩いた折に
建築家・針生承一さんが設計した「齋理屋敷」を見学したのですが、
そこは、江戸期に栄えたコメを中心にした商家で
多数の奉公人を抱えた総合商社のようだった家ですが、
その奉公人たちに出した食事をベースに
ランチなどの食事を楽しめる和風食堂も併設している。
そこで、食べた「定食」であります。
品書きだけを見て頼んだのですが、
出てきた和食定食の彩りの美しさ、味わいの細やかさ、
食材の多様性に、ウットリとさせられた次第であります。
メニューを書いてみると
主食は、近隣の山で採取したイメージのキノコの炊き込みご飯。
三陸にも近いので、牡蠣のフライがメインディッシュ。付け合わせに軽いサラダ。
やや酸味の感じられる古漬けと青野菜の和え物。
そしてたっぷりの野菜類と豚肉とのコンビネーションの味噌味の温野菜汁。
さらに芋をベースに果物や干しぶどうなどを混ぜ込んだ
デザートのような逸品も付いていた。
温野菜汁と主食のご飯の味わいバランスがたいへん馴染み、
牡蠣フライや、野菜類の醸し出すハーモニーがたまらない。
そして、風味と甘味が深く感じられるデザートまで、
目もこころも口も、よろこびに満たされておりました。
しかもこれで850円という値段。
人のゆく、裏に道あり花の山、という句が浮かんできてうれしかった。
まぁ、年齢によっては、やや力強さに欠けると思われる場合もあるでしょうが、
わたしのような年齢になってくると
このような懇ろな作られようの食事に、こころが動く。
たいして期待していないときに、不意打ちのように心のこもった食事をいただくと
ほんとうに「あり難い」幸せを感じてしまう。
1日、いや、それからずっと、なんとなくうれしい気分が続いています。

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