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気候と歴史

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写真は、北海道開拓記念館正面に展示されていたパネルより。
開拓記念館の研究グループが発表した
シャクシャインの戦いの周辺環境研究を表示したものから、
その一部分を抜き出したものなのです。
この研究発表は学術的にも認められたそうですが、
ようするにアイヌの反乱と気候変動による寒冷条件との因果関係を研究したもの。
「古気候研究」という考え方から、歴史事実の背景を探っているのですね。
年平均気温の上下によって人間生活が左右されるのは、
わたしたちも日常的に感じている事柄。
そういう視点を、歴史研究にも適用してみる見方なんですね。
同館に勤務されているUさんのお話しのなかにも
たとえば、平安期の京都地方と北海道東北地域の気温について
むしろ、京都のほうが比較的に寒冷で、
そのために十二単というような服装が普及したことや、
北方産物の「あざらしの毛皮」などが珍重された背景が説明されていました。
そのような見方を重ねてみれば、
この時代の北方交易の重要度というものがよりわかりやすい。
そういう背景が、坂上田村麻呂の東北侵略戦争を引き起こした動機ともいえる。
そこから、前九年後三年、さらに奥州藤原政権の樹立、
頼朝の奥州への執念深い侵略戦争、さらには生き延びた安倍氏一族による
北条氏との手打ち成立からの、十三湊を拠点とした繁栄など
北方世界の変動要因に対する条件をかいま見せてくれると思います。
とくに北方の、文字記録をそれほど持っていない地域の
歴史研究においては、こうした見方の重要度はきわめて高い。
こうした研究で、いくつかの火山の噴火という事態も
人間生活に大きな影響をもたらした様子も見えてきます。
自然条件というものに大きく規定されているのは、
その要素の比重が、いまの現代生活よりも遙かに深甚なものだったことは
やはり、相当に深く理解される必要があると思いますね。
いろいろに研究が進んでいる様子が理解できて、
本当に楽しくなってきたなぁと、実感させられた次第です。
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