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木製の外壁保護装置

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余市の福原漁場の続きです。
写真は、主屋の隣りに建っている蔵です。
一見すると、外壁には木が使われているように見えます。
てっきりそうなのか、と思っていたのですが、
それにしては、ところどころ、様子がわからない仕掛けのようなものが見える。
あれはいったい何なのだろう、という疑問が起こります。
そんな疑問を抱えたまま、ボランティアの方の説明を聞き、
内部を見学して、これが総漆喰の壁面だったということを聞いた次第。
日本では海辺に面した倉庫建築として、
漆喰の外壁の蔵というのはよく目にする風景。
それと同様な作りのものなんだそうです。
ところが、北海道では冬場の気候条件が厳しく、
漆喰の壁は劣化が激しく進行する。
その劣化から外壁を保護するための木造のヨロイのような装置が
外壁全体を覆っていたのですね。
しかも、春になったらそのヨロイを外して、本来の漆喰の白壁を
表すように仕掛けられていて、ようするにコートを着たり、脱いだりするのですね!
ところどころ、仕掛けがしてあるのは、
着脱のための装置の結節点ということなんだそうです。
そういう着脱装置、まぁ、よく考えたというか、
よくもまぁ、ちょうどよく保護できるように工夫したものだと感心させられました。
この着脱壁の付け替えの時にも
ひょっとすると、大工さんの手間工事が必要なのではないかと思えます。
素人だけで、この3階建ての建築の外皮着脱が可能とは思えません。
この装置を見て、北海道の自然条件の厳しさと、
ここまでして、夏期の間の日本的景観を優先させるのか、という2つの感想を持ちます。
蔵には、この漁場による利益のすべてが収納されるわけで、
そういう建築に対しての執着のすごさも感じますね。
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