本文へジャンプ

朝日新聞よ、どこへいく

1808

きのう5日の朝日新聞で、ついに朝日自身がいわゆる「慰安婦」問題に触れた。
1面では戦時の性について、それが女性への耐え難い冒涜であるという
人権的一般論に、ことの「本質」をそらそうという論説を書いた上で
中面で見開き2ページを使って
自社の慰安婦問題キャンペーンの検証を行っている。
そこで書かれている事実は、まさに常軌を逸した報道の暴走「事件」といえる。
写真では、慰安婦募集において強制性があったと
繰り返し証言したとされ、朝日が都合16回も登場させた吉田某という人物の
証言の信憑性について、ハッキリ虚偽だと認め、
そのうえで、朝日の対応として、「記事を取り消します」としている。
また、女子挺身隊という言葉と、「従軍慰安婦」とを混同したということについて、
自らキャンペーンを張った言い出しっぺにもかかわらず、
「当時は研究が進んでいなかった」という、外的要因に混同の原因を求め、
自らを免責しようとしている。

暗澹たる気分で、この報道に接した。
これが700万部売っているというメディアの責任の取り方なのか。
朝日新聞というメディアは、わたしはリアルタイムではもちろん知らないけれど、
戦前は日本を戦争に引きずり込んでいった
軍部独走のお先棒を先頭に立って担いできたそうだ。
そしてその反省からか、戦後は一貫して反権力的な立場で
あるいは、アメリカのリベラルに依拠した親「欧米」、
人権派的な立場で戦後民主主義の論壇を率いてきたと言える。
戦争の前後で180度立場を変えた、と言われているけれど、
はたしてそうなのか、体質はまったく同じではないのか。
冷静な判断能力を持っているとは言いがたい体質ではないのか。
いま、世界の中で日本が危機に立っている問題の
初源的当事者であるのに、「記事を取り消します」で済ませられるのか。
もとより、戦時の性の問題は人類社会が克服しようとして
これまでできなかったテーマであり、このことは
人類共通の負の遺産として、戦争を抑止し、平和を求めることでしか、
解決のしようのない大問題だと思う。
そのことは、当然のことだ。
しかし、いま、日本が置かれている立場はそんなことでないことは
誰の目にも明らかであるのに、それに問題をすり替えるとは。
朝日新聞よ、なにを血迷っているのかと思わざるを得ない。

しかし、本日も朝日はこのテーマでの検証を続けると言っている。
その記事をも再度読んでみて、
朝日の今後の「記事の取り消し」とは、どういうものになるのか、
社会に対してのメディアとしての責任は、どう取るつもりなのか、
もうすこし、注視して行きたいと思います。

<このブログは、5日遅くに書き上げているものです>

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.