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オモシロ屋根の茶亭

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どうも広島市内の「縮景園」って、
写真を見返してみると、デザイン感覚が現代的で、オモシロい。
利休さんの茶室なんかも、その独特な色使いなど、
斬新なデザイン感覚があって、
国宝の俵屋宗達「風神雷神図」のようなキッチュさを生み出した
日本人の精神性が強く感じられて楽しい。
日本の建築でも、出雲大社の昔から
権力的で威圧的というようなものって愛されず、
どっちかというと、無頼的な、戦後闇市的な路線の方が親しまれる。
風神雷神なんて、画題自体がおかしい。
どうしてあんな画題をえらんだのか、
そういった着眼力、構想力のほうに激しく惹かれるのが日本人なのか。
狩野永徳の「獅子図」などは、堂々としたところなど、
やや権威的とも取られるけれど、
獅子の表情など、やっぱりおかしみもそこはかとなく感じられる。

大名庭園という
確立された芸術ジャンルで、
各建築家というか、作庭家というか、
それぞれが個性表現をいろいろに行っているさまがオモシロい。
この茶亭など、茅葺き屋根で2段の屋根という
実用性と言うよりも、表現といえるデザイン。
また、2段の屋根角度も違っていて
その「逓減率」にも、奥行きがありそう。
屋根と建物本体では、屋根の方が大きさが大きく、
やや頭でっかちな印象。
そういったおもしろさは当然狙っていたのでしょうね。
まぁ、大名庭園って、これでもかというくらい、
石の種類もハンパなく大量に使っていたり、
その造形にしても趣向を凝らしていた。
なかには、からくり仕掛けになっている自動で回転する腰掛け椅子もあって、
まぁ、大名周辺のひとびとにとって
江戸時代のミニテーマパークの趣であります。
こんなことをやっていたから、平和だったとも言えるし、
明治になって突然狂ったように「富国強兵」に走らなければならなかった、
とも言える気がしますが・・・。
ある時代の日本人が経験してきた歴史的遺産であることは間違いはない。

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