東日本大震災から2年半以上が経過しました。
仙台などでも、「復興」などのフレーズはあまり目にしなくなってきています。
それはそれで、日常的な暮らしが復活してきているということで、
きわめて自然なことだと思います。
しかし同時に一方で、仮設住宅に10万人以上が生活していることも事実。
高台移転などの敷地の整備がようやく目に見えてきて
具体的な「建てる場所、住む土地」のかたちが宮城・岩手では見えてきています。
福島についても、原発避難地域以外では進展が見られている。
当社と、そのボランティア活動部門であるNPO住宅110番では、
震災発生後の2011年6月から、ほぼ年に2回のペースで
「東北の住まい再生」という住宅復興についての無料情報誌を発行してきました。
民間からの、とくに住宅関連業界からの善意を基盤にして
発行を継続してきて、3年。今回も11月末に発刊することが出来ました。
いま、岩手・宮城・福島の被災3県のネットワークを通じて
被災者のみなさんへ、手渡されているという状況です。
今回は、岩手県陸前高田や宮城県石巻市の動きなどをめぐっての
情報交換の様子を中心にして、誌面構成を行いました。
陸前高田では、住宅を再建しようと考えるみなさんが主体的に立ち上がり、
住宅関係事業者を巻き込むようなかたちで
いわば、地域ぐるみの再建の動きが出てきています。
日本の住宅業界は、当然ですが供給者の側からの情報提供が一般的でしたが
そういった状況に対して、むしろコーポラティブ的な手法で挑んでいるのです。
先週日曜日には、そのような家づくりの第1号の住宅が完成し
地域で「住宅見学会」が催されていました。
日本中、どこでも行われている風景ですが、
この陸前高田でも、このような催しが行われるようになって来たのです。
さらに、石巻市では、災害公営住宅の建設に
地域の工務店がほとんどすべてが参加して協同組合を結成して
行政側からの「木造戸建て型」の公営住宅750戸の建設に立ち上がっています。
こうした動きは、地域の経済活動を地域で確保していくことを意味し、
単に住宅の再建ということだけではなく、
具体的な経済活性化、まちの元気の創出にも繋がっていく動きだと思います。
このような被災地での代表的な動向をお伝えして、
こうした動きに呼応するような各地の胎動を揺さぶりたいと考えた次第です。
ぜひ、この情報誌をお手にとってお読みください。
お問い合わせは、各県の窓口まで。
もし、被災者以外のみなさんでご希望の場合には、
なお、ボランティアでの「無料配布誌」ですので、
任意の額のカンパをお願いした上で、郵送させていただきます。
Posted on 12月 4th, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: リプラン&事業
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