日本縦断の行程が続きます。
ということで、昨日は名古屋から汽車で1時間ほどの
岐阜県・恵那を訪問して参りました。
以前から知り合いの金子建築工業さんの社屋訪問。
金子さんは10年前くらいから高断熱高気密に取り組んでいる
本州中部地区屈指の存在。
建材、といっても地域の、東濃の檜を全国に広げていこうという
建材販売の仕事と、工務店支援の要素が強い
「高性能住宅技術の普及」のための実験的な設計施工が業務。
もう11月ですが、日中は13度くらいまで温度上昇。
日射熱も輻射熱として得られて、
からだは汗ばむほどの気候です。さすがに遠州灘的な気候。
こういう気候の中では、高気密高断熱技術も、
そうした条件を織り込んで、基本を踏まえながら、
さまざまなアプローチを行っていくべきでしょう。
金子さんでは、日中の太陽熱をどのように蓄熱させて、
夜間・早朝にどうやって温度を利用すべきか、
いろいろな取り組みを行っています。
ということで、取材がてら、社屋を見学させてもらいました。
で、見かけたのがこのユニークな四阿。
って、読みにくいでしょう? こう書いてあずまや、って読む。
ほとんど、読めませんよね。
まぁ、それは別として、風情がおかしいですよね。
社屋は自然豊かな川沿いの広い敷地に建てられていて、
東濃の森で生産される地元の美しい檜が度肝を抜かれるほどストックされています。
そのストックヤードに隣接して、家づくりの情報スペースが
ゆったりと、これもバラエティいっぱいに展示されていました。
そのなかに、遊び心たっぷりのこれがあるのですね。
川沿いの竹林ごしに川の景色を眺める窓、というか穴も開けられていて
「立って半畳、寝て一畳」的な方丈記の世界が実感できる。
木組みで床面を造作し、竹でマユのように骨組みをこしらえて、
それに土を壁として塗り込んで、壁天井を造り上げる。
その上で、雨をしのぐように屋根をかけた、というもの。
でも、こんな原型的な空間を実体験すると、
家づくりについての、住宅展示場的なステロタイプな観念は吹き飛んでいく。
より自由な発想に転換してもらうには
面白い装置だなぁ、と思われました。
同じものを北海道で作ったら、
冬を越してすぐに、原形をとどめないほどに崩壊するでしょう(笑)。
凍結などで土壁部分がまず間違いなく風化する。
さすが温暖地。こういうものでも存続していける風土なんですね。
しかし中に入って薫風を感じていると実に楽しい。
アタマの保養をさせていただきました(笑)。
Posted on 11月 15th, 2007 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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