横浜の散歩道で見かけた薄汚れたテント。
関内駅の北側、大通公園に設置してありました。
大通公園って、札幌のシンボルの名前ですが、横浜にもあったんですね。
建築的に見ると、みごとに仮設そのもの。
よくもまぁ、こんなので公共空間の専有使用が認められているな
と、絶句してしまうような代物ですね。
「唐ゼミ」って書いてある看板なので、たぶん唐十郎さんの流れを汲んでいる
学生っぽいみなさんが主体でやっていることは明らか。
早朝、和気あいあい演劇論を戦わせているのか、
それともきのうの練習のことを話し合っているのか、
3人の若者が一睡もしていない感じで、ある熱っぽさを醸し出していました。
声を掛けてみると、市から許可を取って、きわめて安価な料金で
この場所の使用を許可されている、と聞きました。
一様に目に輝きがあって、なにかに打ち込んでいる様子が伝わります。
演目のこととか、聞いたりしましたが、残念ながら公演は見ることができないスケジュール。
わたしも昔、学生の頃、演劇に関わっていた時期があって、
こういう青春の過ごし方をしていたものですから、
今の青年たちも、同じように生息していることに親近感を持ちます。
演劇って、人間ってなにか、という事柄に真っ正面から向き合う部分があると思います。
人間の感情とか、ナマな部分をまるごと表現する、という部分。
それを自分の身体、全部で感受しながら表現するというものだと思うのです。
そのことにこだわって、それを全身で感覚するのに、
やはりこういう異形に身をさらす時期っていうものが必要な気がします。
いまはもう、こういう世界とは縁の遠い世界で生きているわけですが、
ときどき、伝統演劇とか、無性に観てみたくなる根底には、
この青年たちと同質な思いがまだ、からだのなかに残っているんだと思うのです。
こういう非日常的な異形な姿形から、日常の世界に生きる人たちに
どういうメッセージを伝えられるのか、
こういうたたずまいのなかから、どういうメッセージが生み出せるのか、
一度、もう一回、観てみたいなぁ、という気を起こさせてもらいました。
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Posted on 7月 24th, 2007 by replanmin
Filed under: 出張&旅先にて
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