本文へジャンプ

後藤純男美術館

北海道の地方都市にある個人名の美術館というのは
不勉強でして、1〜2度くらいしか行ったことがなく
その経験では、あんまり良い印象を持っておりませんでした。
そういうことで、この後藤純男美術館もなんとなく敬遠し続けていた次第です。
・・・・ところが、
今回、お盆の数少ない休みの日にカミさんと上富良野に行ってみて驚愕。
本当にわが身の不勉強をつくづくと思い知らされました。
すごい、本当にすごい。
日本画、ということなのですが、
詳しい技法的な特徴とか、その分類とかはまったく興味ありません。
そういった知識とはまったく異次元の部分で圧倒されました。
経歴的には、真言宗僧侶の家の次男として生まれ
絵に目覚めて以来、日本画、それも宗教的題材を中心に描き始めて
その後、作家としての転機として
北海道の自然を日本画として描き続けてこられ
独自の画風を確立させたと言うことだそうであります。
その後、中国にも渡られて、彼の地の自然や建築世界も数多く描かれています。
いやぁ、とにかく凄い、としか言いようがない。
特に感銘を受けたのが、やはり北海道人なので
厳しい冬の季節を大作で表現した日本画の数々。
なるほど、このような美的感受性によって表現する北の冬の世界がある、
確かにある、というように誇らしく思えるのですね。
深い共感が、人間の感受性というファクターを通してまざまざと伝わってくる。
日本画の伝統であるのか、
金色が随所に効果的に使われていて、
それが「きざし」のような、光の残照なのか、予感なのか、
なんとも表現できない情動として心理の奥底に響いてくる。
冬の流氷のシーンなどに使われるとき、
現実を遙かに超えるようなシュールな臨場感を味わわせてくれる。
東京芸大で教授も務められていた方なのだそうで、
そういう作家が、北海道の自然をここまで深く愛してくださり、
ここを拠点に捜索活動を続けられているということに
深く歓びを感じる次第です。

作品の数も、相当数あって、
すべてを見終わる頃には、かなり疲労感がカラダに残るほど。
しかし、美しいものを見た心の満足感は素晴らしい体験。
これからもきっと、長く通い、見続けるのではないかと予感しています。
写真はこの美術館2階のレストランの様子であります。
おいしい食事が楽しめますので、鑑賞後、よい句読点になることでしょう。
<美術館HP>
http://www.gotosumiomuseum.com/index.html

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.