先日は気温32度という山形市で取材しておりました。
山形は冬場は北海道並みに気温が下がるし、
日本最高気温を記録したこともある、という寒暖差の激しい街。
ということで、家づくりをしっかり研究して新築したお宅を訪問しました。
写真には、こうした「冷房効率の良さ」というのは表現できませんが、
高温の直射日光があふれかえっている屋外から
一歩、室内に入って、その涼やかさにびっくり。
まさに生き返るような心地がいたしました。
聞いてみると、居間にある家庭用のエアコン1台で、全館、みごとにクール。
噴き出していた汗が、一気に引いていくのがわかる心地よさ。
わたしたちが取材に到着したのが10時で、奥さんのお話では
エアコンのスイッチを入れたのは8時半頃とのこと。
写真は1階の床下に仕込まれた床下ピットからの暖気上昇口と
いっぽう階段の踏み段に設けられた空気吸い込み口。
一階は床下の土間に蓄熱させる電気による暖房を採用し、
その暖気を家中に対流させて、全館暖房とするシステム。
高気密高断熱住宅を大前提とした、クリーンで快適な暖房方式ということで
建物の性能面には十分な配慮がなされています。
断熱的には通常のグラスウールによる充填の他に、
板状断熱材での「付加断熱」を採用し、
熱損失係数、Q値1.28という高性能住宅になっています。
次世代省エネ基準の北海道でのレベルが、1.6というものなので、
それを遙かにクリアする性能なのですね。
この数値は、換気システムとして第3種換気を採用してのものなので、
熱を回収するタイプの第1種換気システムを採用すれば、
北海道で多くのビルダーさんが取り組んでいるQ1.0住宅レベルのもの。
取材していて、高性能住宅での冬場の暖かさ
というのは体感できますが、
夏場の高温状態のなかでの「冷房効率」を今回みごとに体感。
こういう温熱環境に関することは、
一度体感してしまうと、絶対に元には戻れない性質の事柄です。
地球の空気に対して結局は温暖化させているだけで、
エアコンの温度レベルのみを目標にするよりも、劣悪な断熱気密レベルの改善が
地球環境問題へのまっとうなアプローチ手法だと思います。
こういう取り組みが、基本的なエネルギー負荷の削減をもたらすことはあきらかです。
まずはきちんと室内気候をコントロール可能なものにすること。
高温多湿な日本の夏に立ち向かう住宅技術は
多くのユーザーも望んでいることだと思います。
断熱がしっかりしていて、気密性能が高い住宅だと、
みごとに夏場の高い冷房効率が実現できることを
ここ山形市で、確認することができた次第です。
にしても、山形の暑さはひとしおでした。
まだまだ、今年の暑さは続くのだそうで、
残暑お見舞い申し上げます。
Posted on 8月 30th, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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