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【日本建築学会「換気Q&A」情報発出】

現在の新型コロナ禍で、建築的には「換気」の問題が注目されている。
先般もご案内しましたが、ふたたび日本建築学会から
情報発信されていますので、そのPDFをダウンロード可能にしました。
「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」
日本建築学会「換気Q&A」
<クリックでダウンロードされます。>

いわゆる「クラスター」については接触感染や飛沫感染が主領域ですが、
エアロゾル感染については副次的とはいえ、換気が要注意になる。
とくに政府・専門家会議などから「換気の悪い・・・」という枕詞が出るので
ではどう考えればいいのか、という議論の流れだろうと思います。
とくに換気の問題は目に見える事柄ではないので、
建築の世界でも「環境論」が着目されるようになって以降、
温熱の問題がはじめに論じられるようになった。その後、主に寒冷地側では
「断熱・気密・暖房・換気」という4要素として総合的に論じられ
一方で温暖地でも集合住宅やビル空調のテーマとして扱われてきた。
いまの建築界の状況はその合体的な時点にいるのだと思います。
1種換気、3種換気、換気+暖冷房「空調装置」への注目の高まりなど。
とくにダイアモンドプリンセス号の集団クラスター感染が世界的に注目され
あの環境のような「密閉空間」内では、空調の問題も
ゆるがせに出来ない大問題として浮かび上がった経緯があると思います。
以下にこの「換気Q&A」からの要旨ポイントを上げておきます。

●現代(2003年7月以降)の建築では、最低限の換気性能は確保されています。
まずは機械換気設備がきちんと機能しているかを確認してください。
それでも⼼配な⽅には、適宜「窓開け」による⾃然換気が有効です。
●⾃然換気は⼀般に機械換気よりも⼤きな換気量が期待できます。
窓開けによる⾃然換気の場合、⼀⾯の窓開けよりは、⼆⽅向の窓開けのほうが、
換気量も換気効率も向上します。集合住宅などで窓が⼀⽅向にしかない場合も
多いのですが、そのような場合でもバルコニー側の窓を開き、廊下の扉を開いて
⽞関の扉を開けば(防犯上問題ない程度に)⼤きな換気性能が期待できます。
●もし新型コロナウイルスへの感染の疑いのある⼈が出た場合は?
〜医療機関などの判断が出るまでは⾃宅待機となります。⾃宅でどのように
療養すべきかは、コロナウイルスであろうと他の感染性の病気(インフルエンザや
ノロ等)であろうと、できることはそれほど変わりません。
1 マスク等の着⽤により⾶沫⾶散を抑えること、
2 同居者は⼿指衛⽣を心がける。
3 よく触れる表⾯の消毒の徹底で⾶沫感染や接触感染のリスクを低減すること、
4 感染の疑いのある⼈と他の同居者の⽣活ゾーンを分けること。
5 換気の観点からは「換気経路」を考えてできるだけ⾵下(排気⼝の近く)の
独⽴した部屋で療養するほうが、ウイルスを拡散させずリスク低減に役⽴ちます。
●ただし新型コロナウイルス(COVID-19)の感染防⽌対策としては、
換気だけに頼ることは極めて危険です。何よりも「⼿洗いと消毒」を励⾏し、
咳やくしゃみ、会話によって発⽣した⾶沫を直接⽪膚に浴びないように、
密集した場所に⾏かない(密集状態を作らない)ことが重要です。
同時に⼗分な換気を⾏うことによって、感染⼒を持っている可能性が否定できない
⼩さな⾶沫や⾶沫核(⾶沫が⽔分を失って空気中を漂う粒⼦)の拡散を防ぎ、
できるだけ早く室外に出すことが重要です。
●今回の新型コロナウイルス(COVID-19)に関して
⼩さな⾶沫や⾶沫核による感染のメカニズムが⼗分に明らかになっておらず、
まだ必要換気量の計算を⾏うことができません。コロナウイルスにおける
換気と感染リスクとの関係にはわからないことが多いことも事実です。
公益社団法⼈空気調和・衛⽣⼯学会と⼀般社団法⼈⽇本建築学会は今後もさらに
学術的知⾒を積み重ね、健康と快適を守るための情報を発信していく予定です。

社会全体がいまこの災禍と闘いつつある、と思います。

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