クルーズ船・ダイアモンドプリンセス号の感染が騒がれていた頃、
・・・って、もうだいぶ時間が経ったような気分ですが、
その感染病源培養器的な環境について多くの注目が集まった。
あの経験があって、環境要因を分析し多くの気付きがあったのだとも思う。
感染爆発やクラスターなどの危険概念が集約的に表出していた。
建築に関係するメディア人間として、クルーズ船の空調環境について
一定の探索もしてみて関係の学究のみなさんに提起もして見た。
いま政府の基本政策としての指針には、この換気についての注意が
大きく反映していると考えられます。
このような動きの中で「日本建築学会」と「空気調和・衛生工学会」から
換気についての情報発信がありました。
新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して(緊急会長談話)
shase_COVID20200323
<リンクをクリックするとPDFがダウンロードされます。>
この本文を見ていただければと思いますが、
とくに「換気」の注意喚起箇所があったので、以下に要旨箇所を転載します。
「換気はどのように行えばよいか」
●よく間違えられるのが「換気回数」という用語です。換気回数2回/時とは
1時間に2度窓を開けることと誤解されていることがあります。
換気回数とは1時間に部屋に入る外気量を室容積で割ったもの(どちらも立米)。
換気回数は室内の空気の入れ替わりのスピードを表す指標です。
つまり換気回数が大きいほど、汚れた室内の空気を外気で希釈し、
速く入れ替えることができます。
●一般的に換気には窓を開けて行う「自然換気」とファンなどを用いて行う
「機械換気」があります。窓がある建物や乗り物では積極的に窓を開けて
外の空気を取り込むことが有効です。自動車などでは内気循環モードではなく
外気を取り入れるモードにすることが有効です。
機械換気を適切に行うには給気口や排気口が塞がれていないことが大切です。
換気ファンを運転しても給気口が閉まっていないか、
物などで塞がれていないか確認することが必要です。
●窓の開かない部屋でも機械換気を利用することで換気を行うことは可能です。
オフィスビルなどでは、換気が可能な空調設備で室内環境が維持されています。
<高断熱高気密住宅でも多くが機械換気です。>
通常は省エネを考えて必要な換気量を満たすように運転されています。
外気を多く取り入れると冷暖房効率は悪くなりますが、支障がない範囲で、
外気取入量を増やすなどの対策を講じることは可能であると考えられます。
●また通常の家庭用エアコンやパッケージエアコンは空気を循環させるだけで、
換気を行っていません。エアコンをONにしたから大丈夫という訳ではありません。
エアコンだけの部屋では窓開け換気や、設置されている場合には
換気システムの運転を行うことが推奨されます。
●空気清浄機に関しては、一般的な空気清浄機では、通過する空気量が
換気量に比較して少ないことから部屋全体に対して新型コロナウイルス対策に
充分効果があるかどうかは不明です。利用する際には人の近くに
設置することなどが必要となります。欧州暖房換気空調協会が
公表しているガイドラインでは、空気清浄機にも幅があり、それだけに
頼るのではなく通常の換気を行うことが推奨されます。
●新型コロナウイルス対策として最も重要なのは、飛沫感染、接触感染を
避けることです。飛沫核除去に換気は有効ですが、換気をするだけで
感染リスクを充分に低減できるという考えは避けて頂くことが望ましい。<以上>
世界各国で国境封鎖の動きが加速し、駆け込みでの帰国移動などで
とくに東京の感染者数がきのうだけで40例と顕著に増大してきている。
都知事さんの「自粛要請」も緊急的に発せられた局面です。
北海道でも、昨日ふたたび4例の新規感染者が発表された。
目に見えない人類の敵との戦いはひとりひとりの正しい対策実行しかない。
これまで以上に「人間の環境」に留意していきたいですね。
Posted on 3月 26th, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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