写真は完成したわが社社屋の基礎です。
外側にスタイロフォームが張り込まれていますね。
これが「基礎(外)断熱」ということです。
こうすることで、基礎から内側は温熱的に室内という考え方になります。
コンクリートは、あるいは石系の素材は大きな蓄熱性能があります。
うまくこの性質を利用すれば、室内熱環境をコントロール出来るようになります。
せっかく作るコンクリート基礎を、ただ耐久強度だけに利用するのではなく
温熱環境としても十分に働かせることが可能なんですね。
この状態で通常は何日か、乾燥を進行させます。
年をまたいで、自然乾燥を待つ、というようなケースもあります。
コンクリートは、こうした時間が長い方がよい強度を発揮してくれます。
あまり急いで、すぐにこの上に建物を建ててしまうと、コンクリートの中の
水分が十分に放出されず、長期間にわたって室内に
湿気が放出され、室内結露の原因になることもあります。
雨とか雪とかの表面に溜まる水分はそれほど問題ではありません。
コンクリート内部から出てくる水分が問題なので
表面部はそれほど浸透するものではないのですね。
生コンが、時間の経過とともにしっかりした基礎に変わっていきます。
鉄筋コンクリートの発見というのは、実に大変な発見だったそうで
近代がモダニズム建築を生み出す元となったのです。
建築が、素材の制約から自由になった、ということでもあるわけですね。
考えてみればその通りで、
いろいろな素材、自然石やレンガ、木材などを組み合わせて、建築をつくってきた時代から
きっと大変自由な世界に変わったのでしょうね。
どんな形にも変わる人工の石なのですから。
鉄筋によって強度も補強されて、ほぼ不変な建築が生み出される
初期のモダニズム建築は、そうした喜びに満ちていたのだろうと思います。
規格的で合理的な建築が可能になった、という意味で画期的だったのです。
その恩恵のあまりの大きさに、ほとんど気づくこともないのが現実ですが。
いま騒がれている構造計算書偽造、って
ようするにこのなかの鉄筋の量をケチって、安上がりにしようということなんですが
前日までの写真のように記録に残しておけば
あとでチェックすることも可能。きっとヒューザーとかは
こうした写真をきちんと撮ってはいないのでしょうね、きっと故意に。
建て主の側としては、自分の財産を守るという切実な問題として
生コンに覆われる前の鉄筋の様子を撮っておくというのは
自己防衛にもなります。
Posted on 2月 2nd, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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