最近、再生型住宅活用、そのマーケット創成について考えることが多い。
自分でもそういう再生活用を実際にやってみて、
実体験を持ったことで、興味が深まってきている。
というか「ポスト新築」の時代という目前に迫った住宅業界のトレンドを考えれば、
こういう市場性に興味が向かっていくのは自然だろうと思います。
で、そんな興味を日常的に持っているところに、
東京渋谷区広尾でふとこんな「店舗」を見掛けた。
そこそこ通行量の多い立地の地域ですが、
周辺にはそれほど多くの店舗があるわけではないけれど、
いわゆる「わざわざ」系のショップはそこそこにある、
広尾という地域柄が感じられるポイントでした。
でも、再利用されている建物は見た感じ、ハウスメーカーのごく初期量産型。
外壁には一部に苔や黒ずみなどもみられて、
それなりの「オールド」感は漂わせている。
ただ、これまでの常識的感覚からすると、いわゆる「古民家再生型」とは
どこかしらイメージにギャップを感じさせられる。
そうですね、量産型のパネル工法的住宅、その素性が見えるような建物は、
これまであんまり古民家再生型のリノベデザインを施されていない。
そういうある意味、意表を突いた挑戦が行われていた。
カフェショップのようでしたが、残念ながら、営業していなかった。
それがどういうことからなのか、聞き取りすることもできなかった。
ただ、外観的には企画量産型住宅に対して、やや古色の古材でエントランスデッキを
回したり、大きな開口部を開いたりして店舗へのチェンジを表装していた。
木造の住宅であれば古びた建物にはある「さび」があって、
郷愁に連なるようなビジュアルを想起させるパターンはあるけれど、
こういった量産型の「よくある」パターンの住宅は、
どのような雰囲気にチェンジしていったら店舗的成功が可能なのか、
そういうテーマを訴えかけてきたように思いました。
4月の始めに訪れた大阪では、
ある古民家再生を得意とする工務店さんが、Dハウスの最初期の工業化住宅を
事務所として再生利用していた。
その事務所を、現在のハウスメーカー関係者が研究もあって足繁く訪れるという
面白い現象とも遭遇した。
いわゆる古民家好きの工務店が工業化住宅をどう料理するのか。
いわゆる量産系のハウスメーカーとしては、こういう「古民家」は、
どんどん廃棄されて最新のものに置換されていくのが望ましいだろうなと
そんなふうに考えましたが、数十年住み続けたユーザーにして見ると
愛着もあり得るだろうし、再生リノベで初期立地を活かして住宅から店舗へと
機能を変更するという需要もありえる。
こういった需要へのビジネスモデル、デザインパターンなどの
事業開発は、まだあまりなされてはいない。
さて、量産型ハウスメーカー住宅はどう再生利用できるのか、
面白いテーマかなぁと気付かされた次第です。
Posted on 5月 23rd, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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