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【好きです。日経の横山光輝「三国志」マンガ広告】


写真はわたしの好きな広告シリーズです。
横山光輝さんというマンガ家は、石森章太郎などの年代から活躍したひとですが、
柔軟な作家で、自作品がいろいろにアレンジされていくことにも
非常に寛大な姿勢であったといわれています。
2004年に亡くなっているのですが、三国志をマンガで描ききったことで
歴史マンガというジャンルも確立させてきた功労者。
その三国志の膨大なコマを活用して、
「わかりやすい経済用語」みたいな広告シリーズを日経が展開している。
わたしが、接触できるのは東京出張の時に地下鉄などで移動するとき、
写真のような電飾看板で出会うことが多い。
横文字経済概念をわかりやすくマンガ表現するのに、
こういった手法が使われている。
今回目にしたのは「シェアリングエコノミー」概念で、
三国志の1コマを広告ビジュアルとして切り取って活用していた。
また下の広告のように、最近のヒステリックな朝日など既成メディアの
「モリカケ」報道へのサビの効いた「意見広告」(?)などもあった。

こういうわかりやすいマンガを広告素材として活用するのは、
面白い広告手段だと思って注目しています。
経済ネタをわかりやすく、親しみやすくしてくれるのですね。
本誌Replanでも、東大の前真之准教授の連載企画「いごこちの科学」で
イラストマンガとして「住宅性能概念」のビジュアル化に毎回挑んでいます。
むずかしい内容をいかに読者にわかりやすく伝えるか、
そういう作り手側の視点で、いわば同志的な立場からこの広告シリーズの展開に
大いに興味を持っている次第なのです。
ただ、こころみは非常に共感するのですが、
テーマとの調和、そして新たな価値あるメッセージの「創造」にまで、
「昇華」しているかといえば、まだプロセスだなぁとも感じている。
こういったストーリーマンガのひとこま切り取り型だけでは
マーケティング目的全体を構成するのには限界があるかも知れません。
たぶん、そういう意味ではマンガ家と協同して、
あらたなマンガジャンルを掘り起こしていくようなストーリーマンガ創作の方が、
一般ユーザーには伝わっていくのかも知れません。
ただこの日経の広告シリーズは、ともすればクールな分析になりやすい経済ネタに
また違う受け取り方を提示しているとも感じています。
いまの時代、広告シリーズもまたユーザーから「評価」を受けるのだと
そんなことも考えさせられています。

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