ごらんの写真は、今回の改装プロジェクトで確保されたオフィス中心部分。
別の箇所に収容される水屋装置が残置されているのはご愛敬。
コンクリートのスラブで天井が構成され、その荷重を支えるための
バッテン型の架梁が特徴的。
さらにその天井を被覆するように木製格子天井がある。
ブロックの壁とのハーモニーがよくて、大好きであります(笑)。
この構造の確かさが視覚的にもつたわってくる様子に愛着がある。
カミさんも言っているけれど、なるべくこの「構造美」を見ていたい、
そんな気分になってしまいます。
建物はその建てられる敷地の条件がまずあって、
そこでの用途が決まり、それを満たすカタチが決定され、
もっとも合理的な構造が選択されて骨格が固まる。
こういう石系の素材は堅牢性に於いて比類がない。
きちんと断熱が考慮されれば老朽化進行は考えにくい。
よく60年とか45年とかの資産償却年限とかが言われるけれど、
きちんと保守メンテナンスされていけば、ヨーロッパの石造建築と
そう大差のない年限、維持されていくのだと思う。
彼の地では活発にこうした建物の「用途変更」需要が盛んだとされる。
新築よりも改装改造が建築需要の中心だとされる由縁。
わたし自身、この建て方を選択したとき、
この基本骨格には強い信頼の感覚を持ったものでした。
日本では住宅のような用途に於いては過重だという考えもあるでしょうが、
それは日本が「温帯」地域として長い歴史時間経緯があって、
「亜寒帯」地域での建築に十分な想像力を持っていないからではないか。
最近、札幌というマーケット性について考える機縁があった。
徐々に考えを積み重ねているのですが、
この「亜寒帯」地域での日本民族の実験的集住都市というような
おおくくりに至ってきています。
そう考えたとき、期せずして選択されていたブロック造建築って、
大きなテーマになっていきそうだと思っているところ。
まだ少数派ではありますが(笑)、
ブロック建築の再評価、復権というような仕掛けを
虎視眈々とうかがっている最中なのであります。乞うご期待。
そういった意味から、この「構造美」というのも、
わかりやすいメッセージ性を持つのではないか、と思っていますが、
どうでしょうか?
Posted on 4月 1st, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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