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【宇都宮駅前の古建築・旧篠原家住宅】

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やはり歴史のある街というのは、あなどれない。
いつなんどきどこでも、パカッとその深遠な切り口が迫ってくる。
先日、栃木県市貝町での遺跡発掘調査発表会で
大きなインパクトを受けていたのですが、
この機会に、前から気になっていた駅前、東横イン隣の古建築を
ちょっと見たいと見学して来ました。
予備知識は一切なかったのですが、見学してびっくり。
新幹線の時間まで、ちょっとという気軽な気持ちだったのですが、
親切にボランティアの方がご案内してくれて、古建築としての
その奥行きの深さに、思わず新幹線に乗り遅れそうになってしまった(笑)。
以下、概要説明をWEBから要旨で。

旧篠原家住宅は江戸時代から奥州街道口で続いた豪商の住宅で、
1895年(明治28年)に建てられた母屋が現存しています。
外壁には特産の大谷石をふんだんに使い、修復されている内部には
当時のままの部屋や調度品が置かれ、
豪商の豪勢な暮らしぶりをうかがい知ることが出来ます。
広さは一階と二階あわせて100坪あり、母屋と新蔵が
国の重要文化財に指定されています。明治の豪商の暮らしぶりを
今に伝える旧篠原家住宅はJR宇都宮駅前のシンボルともいえる存在。
篠原家は江戸時代末期から醤油醸造業を営み始め、
太平洋戦争後には倉庫業などを営んだ、宇都宮きっての豪商でした。
約2年かけ、当時のお金で3万円の大金を使って建てられたそうで、
至るところに良質の材木が使われています。
100年以上たった今でも、その重厚な美しさは変わりません。

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わたしとしては、その外観、主屋の豪放さもさることながら、
1枚目の写真の蔵のなまこ壁の様子に打たれた。
1枚1枚の表情のそれぞれに違う大谷石板が、
美しい漆喰なまこで縁取られて仕上げられている。
そのリズミカルな美観に圧倒される思いが致しました。
モンドリアンの絵画風でありますが、
この美しさは飽きることがなく、時間と日射の揺れ動きで刻々と変化する。
大谷石を切りだし、加工し、その風合いを楽しませるような
職人さんたちの仕事ぶりがまざまざと浮き立ってくる。
人間の手仕事の見事さが、きっとこの「復元」にあたった現代の職人さんにも
丹念な作業を強いたに違いないのだろう、
そういう時空を超えた人間の仕事ぶりに心が波打ってくる思い。
たいへんいいものを見せていただいたと思いながら、
旅の合間の一時を過ごしておりました。

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