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寺社建築デザイン_2

きのうのブログにある方からのコメントがありました。
つい最近まで北京に行ってきた方からです。以下、引用です。

写真が目に入ったとたん、あれ、中国かなと思ってしまいました。 すごく派手なデザインですよね、これ。 東照宮もこんなでしたっけ?
先日まで北京に居て、タクシーの中から社寺を眺めていましたが、日本に比べると、造りが乱雑で、美しいとは思えませんでした。 ひょっとすると、すべて再建されたコピーものかもしれませんが・・・
この組み手と言う技術は、日本特有のものなのでしょうか? 日本は、家具にしても、一分の隙もない精巧な造りは、高価なイタリア家具も到底及ばないものだと思います。

っていう感想・ご意見をいただいた次第です。
で、返信を書いているウチに、やっぱりこのテーマ、続けてみようか、と。

日光東照宮は、昨年も見に行っていまして、まぁ、極彩色・曼荼羅世界ですね。ところどころに動物がテーマにされていて、人工的である部分など、テーマパークとしても秀逸なものだと思います。江戸初期はどちらかといえば、中国的な感覚が受容されていたと思いますね。大航海時代からふたたびアジア回帰的な時期に日本文化は当たっていたものでしょうか?
組み手はけっして日本独自ではありませんが、発達の仕方が日本は異常に執着的だったという意味合いです。たぶん、屋根の端部のそりかえりを計算してそのカーブの具合も調整していたのだと思います。
中国の寺社建築、って中国には神社はありませんが、このあたりの端部への感受性がきわめていい加減なのではないかと思います。って、そのように感覚するのは、日本のこういった建築を見慣れているからなのでしょうか、ね。
目で見てのなだらかなデザイン感覚は、日本の寺社建築の作り用の方に
軍配を揚げたくなってしまいます。
このあたり、中国のみなさんの感覚はどうなのか、一度聞いてみたいです。

写真はどちらも日本の東北地域の宗教的建築の軒先隅角部の様子。
左側は、奈良〜平安初期創建とされる奥州市水沢の黒石寺。
右側は、きのうも紹介した江戸初期の仙台市の伊達氏廟所・瑞鳳殿です。
風化が進んでいるので、左手の黒石寺の色彩が創建時、どうであったかは
ちょっとわかりません。
しかし、平泉に残された建物群を見ると、
色彩はけっこう派手派手なものが多いので、そうだったかも知れませんね。
興味を引いたのは、この軒先隅角部をささえる構造の作り方が
左側の黒石寺では放射線状に木材が角度を計算しながら
一本一本、違う角度で組み上げられているという点。
一方の瑞鳳殿では、っていうか、それ以降の一般的な作り方は
隅角部に対して一本の木材が渡されて、
それに対して両方向からまっすぐに並べられて組み上げられていると言うこと。
こういった隅角部の作り方の違いは、どういう理由によるものか。
大工技量の部分と、技術的合理性の両方の部分で
大変興味をそそられた次第です。
個人的には、より古い時代だと考えられる放射線状のほうに
軍配を揚げたくなるのですが、
さてどうなんでしょうか、みなさんはどう思われますか?
ってまぁ、どっちでもいいよ、って言われそうなんですが(笑)・・・。

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