新住協代表・鎌田紀彦先生にReplan本誌でお願いしている
「Q1.0住宅デザイン論」で「中2階のある平屋」という、
注目すべき提案があったことをきのうのブログでお知らせしました。
要旨は以下のような内容です。
〜中2階は天井高が1.4m以下ならば階数や床面積に算定されません。
全体をシンプルなかたちにまとめることで、工事費アップは
最小限に抑えられますし、暖房費もそれほど変わりません。
夏には中2階に設けた窓から効率よく排熱でき、とても涼しい家になります。
そしてほどよい高さの吹き抜けが豊かな室内空間を作ってくれる。
高さのある天井がとても気持ちの良い空間を形成し、
きれいに暮らすために中2階が役に立っている気がします。
外観も総2階建てよりもはるかに低いプロポーションが美しく、
この設計を参考に、Q1.0住宅の一つのプロトタイプができるのではないか〜
興味を持たれた方は、いま発売中のReplan東北をご覧ください。
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この記事に対して、さっそく反響が寄せられました。以下、ご紹介します。
◎当方もよくやります。「はんぶん平屋」パターン。
◎軽井沢等の別荘で何軒かつくりました。
立体空間に余白があるのが気持ち良いですね。
◎私もやります。外見た目平屋みたいなやつ。
◎以前 拙者も記事にしました。 土地に余裕があるケースだと
上下ボリュームがちょうどいい。 暮らしやすい。
リンクはこちらから。
◎普通の2階建て、子供達が巣立った後、もったいない感がいっぱいです。
夫婦2人になった時の時間の方が長くて重要です。
平屋並みの体積で2階建て。温熱環境もライフサイクルコストも優れているよね。
・・・やはりQ1.0デザインのひとつの最適解といえるのではないか、
鎌田紀彦先生の探求でディテールも最適化が進んでいくように思われます。
総2階よりも気積が小さくなっていけば、温熱コントロールもしやすいだろう。
わたし的には、高度成長・人口膨張期の面積重視の総2階建てから
人口停滞期の日本には、これくらいがちょうど良いと思えます。
そしてそのデザインは、自ずと日本の伝統的な「町家」のプロポーションに
ぐっと近似していくように思われてなりません。
町家はどこを歩いていても、サイズ感覚に親近感を憶える。
中2階への視線が総2階のように「見上げる」感じがなく、
そのまま通りから声を掛けるにも、気安さがあって好ましい。
たぶん、中2階の軒高がやや低姿勢に感じられて、威圧感を感じない。
一方総2階は、まさに見下ろすような視線にならざるを得ない。
そういった心理的要因が働いてくるのではないか。
こういう生活文化的な感受性は、日本人の心理に刷り込まれている。
いったん総2階の戸建て住宅文化に染まってしまったけれど、
その建築文化のなかから他を睥睨するかのような文化が生まれ
徐々に日本人から他者への思いやりなども失われた、そんな気もしてきます。
コンパクトに過ごすこれからのニッポン人の住まいとして、
こういった住宅の変化は、いま求められているのではないでしょうか。
Posted on 5月 23rd, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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