日光東照宮、奥の院の入り口というか、
本殿からの出口というか、にあるのがこの猫の像。
昔から有名です・・・っていうことですが、
単純に猫の彫刻なわけですね。
ところがこれが奥の院、徳川家康を祀った廟所入り口にあるので、
「一体どういう意味があるんだろう」と
考えさせられると言うことなのでしょうか。
東照宮の飾りには、たいへんわかりやすい表現が用いられています。
それこそ、芸術の大衆化が始まったような印象がありますね。
陽明門にはこどもたちの遊ぶ様が描かれたりしているそうです。
どれも写術的でユーモラスで、一見してわかりやすい。
たくさん彫刻で描かれている動物群も、
一種のテーマパークと考えれば、意図がわかりやすいのかも知れない。
まぁ、そんな東照宮の極めつけみたいな彫刻が
この眠り猫なんですね。
左甚五郎作、というような意味不明な作者伝承もありますが、
いや、単にキッチュな意図ではなかったのかと、感じます。
見ていたら、外人さんから「▲○●□??」って質問を投げかけられまして、
西洋人ではありそうなのですが、何語かも、よくわからなかったのですが、
どうも、猫があるのが、よくわかんね〜、ってことのようなんですね。
って聞かれても、こっちもわかんね〜、あんた何いってんのか、わかんね〜状態。
適当に答えざるを得ない。
しかたなく、「Its simply cat」などと、英語にもなっていない、
いや、英語風禅問答を返しておきました(笑)。
あとは、東洋的にあいまいな微笑をおまけに・・・。
きっと、変な日本人におかしなことを言われたと
ブログにでも書かれているかも知れない(汗)。
困った、日本の国家的損失だ(笑)。
っていうような不安な思いをしたわけですが、
やっぱり、なんのことやら、この猫さんの彫刻は意味不明であります。
他の彫刻と同様に、一般的に東照宮に多い動物の彫刻を作っていて
たまたまこの位置には、猫が端座することになっていた。
そこにあとから、家康の廟のある奥の院の入り口が出来ることになって、
その通り道の位置になってしまった。
徳川政権の担当セクションでも、ついうっかり、たいした意味付与を考えずに
そのまま計画が実行されてしまった。
結果、眠り猫という名前で有名になってしまった。
仕方ないから、「これは名匠・左甚五郎という・・・」
というような作り話を話題に供した。それが思いの外、受けた。
っていうような、官僚機構経過の結果伝承なのではないかと思います。
ほかの彫刻について、作者の個人名や制作プロセスが詳らかでないところから考えて、
ここだけ、芸術作品的に考えるのは不自然ではないかと思います。
動物彫刻作品はやはり、狩野派のプロデュース、制作は
江戸の職人軍団、というのが真実に近いのではないかと思いますね。
さてどうなんでしょうか?
北のくらしデザインセンター
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Posted on 5月 24th, 2009 by replanmin
Filed under: 歴史探訪
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