写真は長野県岡谷市の住宅から。
北海道ではまず見ることができないような和の空間です。
和のデザインには、まずは木構造をそのまま見せる美しさがあります。
野太い柱や梁の材や、太さというものが
その家の素晴らしさの直接的表現になっている。
この家でも、天井の豪快な木組みによる枠の中に
上手に照明がしまい込まれていて、電気による照明という
伝統的な住宅にはなかった装置へのデザイン的な対応が見られます。
電気の導入初期には、照明の側で、似合ったデザインというものを
工夫して、和風住宅の決定的な問題点である
採光への対応を計ってきていたものでしょう。
時を経てきて、この写真のような工夫へと住宅建築の側で工夫がされてきた。
ただし、こういう対応はやむなく高価にもなるでしょう。
ここでは照明器具をそのまま表さずに、障子の「ふた」まで造作されている。
ナマな「照明器具」という工業製品をできるだけ直接見せたくない、
という建築側の意志を感じることが出来ます。
このように仕上げれば、伝統的な
「障子越しに明るさを室内に取り入れる」という手法の範囲内に納められる。
ただし、一般的には障子は垂直に納めるのに対して、
水平に天井に対して「付加」する感じになる。
ちょっとした違和感は感じるかも知れないけれど、
窓側の障子と、デザインが共通しているので、やがて慣れてくる。
ほかの和風の装置、引き戸の建具とか、欄間の障子という
基本的な装置群とも調和していると言えますね。
しかし、こういう建築、
北海道ではまず、目にすることはない。
長野県では、こういうデザインの住宅のままに高断熱にしたい、
という需要が存在するのでしょうが、
北海道の現実的合理主義の側では、
「あたたかい家を造ることに合理的なデザイン」という価値観が
端々に顔を出すようになってくる。
壁の作り方が大きく変化して、
柱を表す「真壁」から、柱が見えてこない「大壁」が主流になってくる。
このあたり、「地域が選択するデザイン」というものを感じさせます。
きのうから札幌、一気に冬の様相を見せてきていますね。
雪はサラサラとした低温を象徴するような雪質。
底冷えの寒さが迫ってきます。
きびしい景気動向のまま、閉塞感の中を、雪が降り続いている感じ。
しかし、明けない夜はないし、終わらない冬もありません。
楽しく冬を乗り切っていきたいものですね。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
Posted on 12月 12th, 2008 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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