本文へジャンプ

人が心地よさを感じる空間の多様性

1281

住宅雑誌をやっていれば、
結局、一番究極的なことって、人がここちよいと感じるって
いったいどういうことなのだろう、ということだと思います。
まぁ言わずもがな、ですね。
でも、この評価軸には実にさまざまな要素がある、というのが
実際であり、そこから、判断がいろいろに分かれていく。
よく言われるのですが、人間はナマな自然に触れているよりも
遙かに長い時間を、およそ9割以上なんだそうですが、
人為的に構築された空間で、生きている時間を過ごしているそうです。
住宅、いや建築すべてでしょうが、その立地から逃れることは出来ない。
そこが出発点になるのでしょうが、
よく考えてみると、現代人にとって
一番、「心地よさを感じる空間」って、住宅や建築だけとは限らない。
そうですね、乗り物がありますね。
現代では、各種の乗り物が生み出す「ここちよさ」と
住宅は、比較対照されるようになっているのではないでしょうか?

いちばん身近な「乗り物」って、やはりクルマでしょうか。
クルマって、どこまでも刺激的な景観を人間に与えてくれる。
移動する機能を極限的に高めたものがクルマなので、
まぁ、当然ですね。
自然が比較的豊かな北海道の場合、
クルマが1台あれば、元旦に根室の一番先の岬から初日の出の神々しさを
クルマの中から、たのしく見ることもできるし、
夏には、利尻島の海岸で瑞々しい海の景観に触れることも自由に体感できる。
で、クルマの「居住性」は、いったいどこまで向上してきているか。
まぁ、超高級車とかではなく、ごく大衆的なクルマ、
ホンダのフィットクラスでは、どうなっているか。
断熱性や気密性と言うことでは、
ある研究者の方が試算してみて、確か気密性能で10cm㎡程度という結果を聞きました。
省エネレベルということでは、最新の基準適合の住宅の比ではなく低いのだけれど、
しかし、温暖地の既存住宅ではこういうレベルの住宅はザラにある(笑)。
その上、本来の機能である移動のための省エネ性では、
たとえばフィットだと、体感的にはリッター20kmくらいは走る。
移動しない住宅が、ある部分の居住性では負けている。
長くなりそうなテーマですね、これは(笑)。
もうすこしじっくりと、いろいろ考えてみたいと思います。<また、明日以降へ>

写真は、ある三陸海岸高台のホテルなのですが、
景観感受性という部分では素晴らしいけれど、
ここにずっといるコストとの相関性ではどうなのか、とか、
いろいろ検討して、考えていかなければならないと感じております。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.