さて、北方民族編が続いております。
って、わたしはいまは東北に来ておりまして、
仕事しているのですが、昨日はある事情から取材訪問がキャンセルに。
なかなか、ちょうど良くは進行してくれません(泣)。
ですが、そこはそれで、
いろいろな取材に利用させていただいております(笑)。
で、先日の網走で見学した写真続編ですが、
これは「腸製衣」というように書かれておりました。
一見すると現代のレインコートですが、
まぁそういう化学製品を展示するわけはない。
で、腸製衣???、っていうところだったのですが、
説明を見て驚愕です。
なんと、これはアザラシなどの海獣の腸を縫い合わせて作った
海洋狩猟用の防水作業衣だというのですね。
ほえ〜〜〜であります。
寒い地域ですから、このレインコート状の衣類の下に
普段着用する衣類があって防寒性を満たしながら、
海洋作業での水から身を守っていたようなのであります。
説明文では。腸の縫い目は水の侵入を防ぐように厳重に縫い合わされている
っていうことだそうです。
むむむ、にわかには信じがたいのですが、
そういう部分が極北の世界で生き抜いていく知恵になのでしょうね。
雪の家といい、まことに寒さとの戦いは面白い。
アフリカを起源として世界に進出していった現代人類、
やはり、温暖の地を離れ、
寒冷な気候に立ち向かっていくことが知恵の力の源泉だったのか。
それにしても、捕獲したアザラシから、
それを全部、無駄なく利用し尽くす工夫の奥行きの深さには
畏敬の念を覚えざるを得ません。
腸を見て、そこからこういう海洋作業衣を想像していくって、
必要は発明の母、とはいいますが、
基本的には温暖な地域の人間からはなかなか出てこない発想。
そしてまた、自然素材だけを利用しながら、
防水性を高める縫い方を研究開発する女性たち(たぶん)の
知恵の力にもただただ圧倒されるところであります。
Posted on 9月 2nd, 2011 by replanmin
Filed under: 歴史探訪
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.