写真は先日撮影した、仙台市内の家。
シンプルモダンデザインが明確に主張されている住宅です。
最近の若手設計者には、こういう住宅への指向がとても強い。
敷地の特性をつかみ、なるべくその骨格的な要素に
内部の空間性を絞り込んでいくような
そういう家づくりですね。
この家は、平坦地の少ない仙台市内でも
有数と言っていい、高台の超傾斜地に立っています。
というか、この家にたどり着くのに
カーナビの指示通りに走ったら、最後には鉄板の簡易な橋を越え、
傾斜角度30度を超しそうな坂道を上って、
しかもうねった急角度の曲がり道を
メリーゴーランドのように走り、
対向車が来たら、万事休す、みたいな道を
通ってこなければなりませんでした。
「ちょっとなぁ、おい・・・」と、けっこう命からがら(汗、汗)。
まぁ、地元のひとは慣れるものでしょうけれど、
冬は絶対に来られないでしょう、はじめてなら。って場所。
設計者の人に聞いたら、
やっぱり計画的に宅地造成された地域ではなく、
自然の山をその場対応的に宅地として造成してきたような
住宅地のようなんです。
工事中には、業者さんの車の横転事故まであったとか・・・。
帰りに指示された太めの道も、直行は危険なので、
何回も鍵型のように、迂回させながらの道になっていました。
まぁ、その分、眺望的には仙台港まで見晴らせる
気持ちのいい、眺めが得られる立地条件なんですね。
周辺は至る所、擁壁だらけで、写真左下のように、
なんと居間からも擁壁の中庭を見て、
しかも前面道路が急角度で斜めに窓をよぎっています。
擁壁に囲まれた中庭は、全面的に白く塗装され、
シンプルに光だけを取り込む窓からの陰影感と
シンボルツリーを眺め楽しむような、瞑想的な居間になっていました。
急角度の道を車やひとが通りすぎるのも
一種、劇場舞台的な、そういう演出的な空間ですね。
どういう反響が寄せられるか、
誌面での発表が、楽しみな住宅だと思っております。
Posted on 5月 30th, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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