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尖閣ビデオ問題と忠臣蔵

尖閣ビデオの問題、流失させた本人が判明したようです。
たぶんそうなるなぁと思っていたら、案の定、
世論では、罰する必要はない、
というような論調が見えるのではないかと思います。
腰のフラフラしている菅直人内閣、
どのように対処していくのか、
まぁまさか、処分しないというような対応はしないとは思いますが、
先行きの世論を見ながらの対応になると思います。

今回の事件、
アナロジーできるのは、元禄討ち入り事件かなぁと思います。
為政者の事件処理に対しての異議申し立てであって、
それが拍手喝采される、という意味合いでは実に似ている。
ただし、事件の今後の処理という部分では、
大衆社会状況の中での民意、というような不確定な部分があり、
たとえば小沢事件のような
超法規的な「民意」へのおもねり対応などを見ると
ひょっとすると、「寛大な」処分みたいな「大岡捌き」で
人気取りを計る可能性もあるのではないかと、感じられます。
まぁ元禄事件では実際に殺人行為も行われていたのですから、
同列に論じることではなく、
また、罰則として死刑になるようなこともないでしょうが、
為政者の側に、おおくの困難な判断力を求めるという意味では、
もっと難しい問題かも知れません。
最低限、このビデオ流失者は、国家公務員としての地位は失うことに
なるでしょうが、その後、
いろいろ、引く手あまたということは想定できますね。
元禄事件でも、赤穂浪士への求人希望は諸藩で高まったのだそうです。

それにしても、
今回の尖閣事件、本来の日中間の国境問題という側面から
このビデオ流失事件のほうに
報道の基本的留意点が移ってきており、
また国民世論的にも、中国漁船に対する、あるいは
中国国家への反発、という側面はやや収まっていると思います。
中国国内ではこのビデオに対して、
「よくぞぶつけた」みたいな反応もあったと報道されていますが、
いまのところ日本側の国民世論は、冷静であると思います。
しかし、この流失事件後、
どのような方向に世論が向かっていくのか、
見通せない部分もありますが、
事件の直接的な衝撃性は薄らいでいくことが予想され、
単純な国家間世論の衝突には向かわない可能性はありますね。
そういう意味では、こういったかたちの流失が
結果的には日本社会では自然であったと、言えるかも知れません。
しばらくは、世論の向かう先に注目が必要だと思います。
<写真は武蔵野の面影を感じる武蔵境駅前の様子>

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