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【孤独社会の黒未来 「拡大自殺」と「家」崩壊】

先日発生した川崎市多摩区の殺傷事件。
まことに現代に生きる人間の心の深い闇を感じさせられる事件。
新聞などがその後の取材・調査報道を行っている。

朝日新聞WEBでは以下のような記事。
〜多くの死傷者が出た主な事件
●2001年6月 大阪府池田市の大阪教育大学付属池田小学校で、男に児童8人が殺害され、教諭を含む15人が重軽傷
●2004年8月 兵庫県加古川市の住宅2軒で7人が殺害される
●2008年3月 茨城県土浦市のJR荒川沖駅や民家で、男がナイフなどで切りつけ、2人が死亡、7人が重軽傷
●2008年6月 東京・秋葉原の歩行者天国にトラックが突っ込み、ナイフで切られるなどして7人死亡10人けが
●2010年6月 広島県のマツダ本社工場で男が車で暴走1人を殺害し11人が重軽傷
●2013年3月 広島県江田島市のカキ養殖会社で社長ら2人が殺害され7人が重軽傷
●2013年7月 山口県周南市で同じ集落の男女5人が殺害される
●2015年3月 兵庫県洲本市の住宅2軒で住民5人が刺殺される
●2015年9月 埼玉県熊谷市の住宅3軒で6人が殺害される
●2016年7月 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害され、27人が重軽傷〜
そして産経WEBでは、以下のように「事件の背景」が書かれている。
〜岩崎隆一容疑者(51)が児童らを襲った直後に自殺したことから、
無関係な人を道連れにした「拡大自殺」だったとの見方も出ている(中略)
警察庁によると、自由に出入りできる場所で不特定多数を殺害する
「通り魔」事件は、平成19年から28年までの10年間に計73件発生。
死にたかった・死刑になりたかったと動機を語るケースも少なくない。〜
そして加害者の居住状況についても調査報道されていた。
別記事「“絶縁”の家庭、伯父ら手紙で様子伺い」で、
〜川崎市によると、岩崎容疑者は一軒家で80代の伯父叔母と同居。
食事や金銭的な援助を受けつつも、ルールを設けて
全く顔を合わせないようにし、口をきくこともほとんどない
“絶縁”生活を続けていたという。〜

わたしの内心での直感が、不幸にして的中しているようです。
家族関係が崩壊しての孤独の末に「個人」までが崩壊している・・・。
ここのところ、わたしもこのブログで
イギリスでの「孤独問題担当大臣」のことから、「家」制度の崩壊と
個人主義社会の暗い側面「孤独」状況について考え続けてきています。
やはり「家族」が社会規範の最後のところで健全に機能しなくなると
家族の崩壊がやがて個人の崩壊につながるのではないかと思うのです。
どうも現代の通り魔殺人には、こういった現代に潜んだ基底的な闇が
突然表出してくるのだと思われてなりません。
このような「狂気」に対する抑止とはどんなものが、と考えれば
やはり「家族」という人間関係しかありえないのではと思う。
個人主義に基づくキビシイ「競争」社会というものの「凶暴性」に
傷つかざるをえない個人を包み込む「マユ」としての家族。
住宅のなかに強い磁場、「家族」関係の揺りかごをつくることが、
社会的に目的化されなければならないのではないでしょうか。

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