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日本式ZEHへの危惧/鎌田紀彦・前真之対論

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さてきのうは、取材長旅の締めくくり、
岐阜県恵那市での表題セミナーの取材でありました。
主催は本州の新住協の中核的存在の金子建築工業・金子さん。
この鎌田紀彦・前真之対論は、昨年に北海道で第1回が行われて
それがきっかけになって、本州地区でも実現させようと努力された次第。
わたしどもでは、おふたりに誌面で連載企画お願いもしていることで
その対論の進展を期待している立場であります。
そういうことなので、継続的にこの対論は取材させていただいて、
今後、いろいろに誌面での発表を行っていきたいと考えています。

きのうの取材では、
鎌田先生から、ZEHへの言及があり、
「ゼロエネハウスって、一般ユーザー的には最上位概念として
いちばん性能がいいように感じられますよね?」
という参加者への問いかけがありました。
おお、と内心が反応させられた瞬間でありました。
日本でのZEHは、とにかく太陽光発電でのエネルギー相殺、キャンセルが
その考え方の前提条件にされていて、
それも暖房と給湯のエネルギー相当分のみ
キャンセルできればいいとされている。
その太陽光発電も10K以内まででゼロエネとみなす、ということで、
そのモノサシを当てはめると、次世代基準相当程度で
温暖地域では容易にZEHが「実現」できてしまうことになる。
「そんな基準であっていいのか」という問いかけであります。
これまで営々と積み上げてきた「高断熱高気密」の家づくりの
あたかもその上の概念であるかのようにして、ゼロエネハウスが
位置づけられつつある現状への強い危機感が感じられました。
北海道が努力してきた「暖かい家」よりも
なんちゃってZEHが、上位概念とされる危機感。
これはわたし自身も強く懸念を抱き続けてきた部分。
また、前先生からは、アメリカのZEH住宅概念が日本のものへの
対置的なものとして論及されて

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「ZERO energy READY HOME」〜太陽光発電や蓄電池は
どんどん改良が進むからそれらが技術発展してコストがこなれた段階で
採用すればいい。その前にその設備が最小限でも
ちゃんと機能できる家を今、建てるべきである、
という考え方の紹介がありました。
このような日本型ZEHのいびつさについてのお二人の考え方に
大きく同意させられた次第であります。
わたし個人的にも、「寒いZEH住宅」というものが建つのではないかと
大いに危惧している次第であります。
こういった声が上げられたことには、大いに意味があると思います。

今後、この「対論」の様子は
その深まっていく様子を、いろいろな形で
発表していきたいと考えています。よろしくお願いします。

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