写真は小樽の古い石造り倉庫を改装した店舗。
地ビールの店舗になっていて、そういう意味では
ビヤレストランというのは、こういった雰囲気が定番ではあるけれど、
わたしたちがヨーロッパの街並みを見ていて感じるノスタルジーと
やや似通った、「古び」の魅力というモノがある。
この小樽運河倉庫群が観光の目玉として再活用されるようになったこと自体
こういった魅力に日本人が、そこになにかを再発見しはじめた
そういう事実を明かしているように思います。
で、住宅シーンでは
戦後一貫して、規格大量生産型の画一化が進行した。
敗戦に伴うアメリカ支配は、同時に生活文化面にも否応なく押し寄せ
エネルギー大量消費・力づく快適性を助長し、
建材も規格大量化が図られてきた。
「古い」ということは、そのまま否定的なとらえ方が一般化した。
しかしいま、長寿社会が本格化し、
ようやくにして、空間性の美学の中に、「古美」があることも
広く多くの人の共通認識になって来た。
住宅産業でも、ひたすら新築の大量生産追求が通用しなくなってくる。
既存の「古美」た、家をどうやったら魅力的な空間に再生できるのか
そういう新しい住宅マーケットが生まれてくる可能性が高い。
すでに若い世代の方たちの中には
ごくふつうの住宅を再生利用して、その経年的な劣化、
素材の質感の深まりのようなモノを受容しようとする考えがあると思う。
既存住宅の魅力の再発見、
それをどうやって掘り起こしていったら良いのか、
そこらへんに、どうも可能性が出てきているように思えてならない。
Posted on 12月 18th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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