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世帯あたりエネルギー消費比較

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ウチの誌面で連載エッセイをお願いしている
北海学園大学・佐々木博明先生の講演のひとこま。
日本の各県別の世帯人数と、世帯のエネルギー消費の様子を表現した図。
いろいろな意味合いがあって面白く拝見しました。
住宅のエネルギーですから、暖房要素が加わる北国が大きいのは当然として、
それに「世帯人数」を掛け合わせて考える概念ですね。
省エネで考えれば、大家族で住む方が理にかなってはいる。
一方では、少人数化というのは現代都市的生活の趨勢。
従って、この図では縦方向に南北差が表現されて、
横方向には「都市化度」のような傾向が現れる、といえる。
と思っていたのですが、どうもそういいきれない。
もう一つ、家族数を決定づけているのは、その地域の「高齢化度」も
影響が大きいと言えるかも知れません。
で、北海道はこの図で
ひと地域だけ、ちょっとグループに属さない位置に出てきている。
東北地域は寒い地域だけれど、家族数は多く、
理にかなった感じが傾向としてそのまま表れている。
東北よりももっと寒冷地だけれど、
エネルギー消費では、ほとんど同じくらいのレベル。
でも家族数は5分の4くらいの比率。
ちょっと特異なんですね。
東京が家族数で平均が2をちょっと超える程度で
全国でも最小になっているというのはわかる。
でも、家族数の少なさが2位というのが
北海道や鹿児島、高知、というような順だと言うことになると
やはり「都市化度」ではなく、高齢化度を表しているのではないか。
いいかえれば、「過疎度」というようにも言えるかも知れない。
この表にはないけれど、
札幌は北海道でも飛び抜けて家族数が少ない地域。
で、北海道全域も家族数が少ないということになると、
北海道では、都市化と、札幌以外の地域の高齢化が加速度的に進んでいる、
というようなことを表現しているのかも知れない。
どうもこのあたり、産業としての住宅、その性能という用件を超えて
社会的な問題が全国一、北海道では進行しているのではないか、と思えます。
住宅の性能レベルで言えば、年平均気温の分布による傾斜を
北海道の住宅は上回っている、というように考えることができます。
産業としては北海道の住宅は優秀だけれど、
その社会的基盤は、あまり力強くない、ということを
この図は、教えてくれている気がします。
こういう問題、誰がどのように切り込んでいくべきなのか、
難しいテーマだなぁ、という実感を持ってみておりました。

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