きのうから青森県内の企業廻りをしています。
スタッフも取材や写真撮影などで青森地域に入ってもいる。
で、きのうはFAS工法の加盟工務店、弘前の「水木工務店」さんを訪問。
自社の事務所をモデルハウスとして活用して使われている。
この建物では、FAS工法の基本方法で断熱など施工されているけれど、
部材などは他社製品を使っての施工が行われていました。
とくに暖房冷房のエアコンについてFASでは天井裏に仕込まれるのですが、
ここでは、いまや一般化してきた「床下エアコン」が試行されています。
断熱は外皮外側でアキレスボード断熱材が施工され、
同時に構造駆体内側からスプレー吹き付け断熱が行われています。
吹き付け断熱が気密も兼ねているかたちになる。
そのように床壁屋根が施工され、内部側は熱環境的に一体空間になる。
そこでその床下にエアコンを設置して全館暖冷房されている。
暖房の方は暖気が上昇していくので問題がないが、
冷房の方は冷気なので上昇させるにはダクト利用などを行っている。
写真ではエアコン吹き出し口周辺にダクトが向けられている様子がわかる。
またこちらでは2枚目の写真のように、細かいスリットの入った「幅木」を使用。
断熱層は内側吹き付けは20mmなので、木造構造の壁内は空洞。
そこを暖冷気が流動するようにさせるのですが、
床と壁の立ち上がりに被覆する幅木にスリットが入っているので
そこから室内に暖気や冷気が供給されている。
もちろん、床の外周などではスリットがそれぞれに室内に開口している。
室内気候はおおむね20度を目安とした空調環境になっていて
エアコンは24時間連続運転になっている。
こういった使用条件で、給湯や調理も含めたオール電化住宅の
40坪超床面積建物の冬場電気代で、最高限度で20000円台に収まっている。
かえって間歇暖冷房にした方が電気代が上昇するとされる。
連続する断熱層のパワーが実感できます。
床下エアコン1台での全館暖冷房については
2年以上前に本ブログで事例を書いたとき、
全国各地のビルダーさんを中心に大変多くの反響をいただきましたが、
多くの施工事例が各地で多様に実施されているようですね。
このエアコンは「寒冷地仕様」タイプですが、
それでも30万円程度の設備費用なので、やはりコストパフォーマンスは高い。
電気器具メーカーさんとしては、床下設置では保証しかねるということは
ありますが、現実に高断熱高気密の性能に自信がある場合、
ビルダー側としては、たいへん合理的な設置方法として確立してきたようです。
Posted on 9月 12th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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