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憲法改定と東アジア情勢

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「憲法9条改正が核心」と関心=国民投票法成立で中国新華社
 【北京14日時事】中国の国営新華社通信は14日、憲法改正手続きを定める国民投票法が成立したことについて「日本政界に大きな食い違いがあり、特に憲法9条を改正するかどうかが一つの核心問題だ」と伝え、中国として日本の軍国主義化につながりかねない9条改正の行方に関心を示していることを示唆した。 (時事通信)
なにか政治的に弛緩した状態の中で、
戦後体制の根幹的な部分での変更が法的に成立した。
安倍という政権は、憲法の改定を志向していることを明らかにしてきたので、
その道筋の中で、ひとつのメルクマールを超えたということだろう。
かなり重要な改変だと、戦後一貫して語られてきた割りに、
通過した現在の状況は、奇妙な静かさと言える。
こういう変化が何となく気になりながら、
無意識に、週末、日清日露の戦争の記録をたどっていたのかも知れないと思う。
明治維新以来の流れという、この当時の日本には、
欧米列強に対する植民地支配への恐怖、という根源的な危機意識があり、
それが「富国強兵」という、考えてみれば当時の列強時代の
ある意味、自然な「国際感覚」に基づいた、「国家意志」が存在したと思う。
内政的政治論議としては、こうした基本方針に対して、
その都度、穏健的か、強硬的か、というような論議しかおおむね、存在しなかった。
当時の国際関係を見ていると、
清朝中国に対する、剥き出しの国家間利益獲得競争が展開されていて、
平気で、主権国家の領土内で、第3国同士が戦争する、という
とんでもない事態が進行している時代だった。
たしかに指をくわえてみていれば、
当時の国際政治の世界では、世界最強の軍事国家と思われていた
剥き出しの帝国主義国家ロシアが、その伝統的南下政策で、
儒教的退嬰の中に眠っていた中国・朝鮮を支配しただろうことは理解できる。
もしそれが現実になれば、列強時代の国際常識として、
ロシアは、日本をも支配しようと考えたことは自然だったろう。
すべては、この、やがて、第1次、第2次の世界大戦に突き進む時代がなせる技といえる。
ひるがえって、今日の世界の中、
アジア情勢で、決定的なのは日中関係であることは明白。
中国も、開発独裁型に転換した共産党独裁国家という
未来が見通しにくい政治体制を持っている不安定感がある。
ああした政治体制が、ほんとうに長く続いていくのか、
多くの国家が国内に民主主義を持っている時代に、
あのままの政治体制で、安定的な国際関係を構築できていくのか、
という不安定要因はあると思う。
帝国主義列強時代とは、国際的経済の構造が変化してきて、
今日の世界では、石油などの剥き出しの利権争奪というような側面は
見えにくくはなってきている。
だけれども、ロシアや中国などのように明確にエネルギー戦略を
国家戦略の最前線にしてきてもいる。
日本は、憲法改定を経て、「戦争の自由」まで獲得するところまで行くのか、
というのが中国の最重要関心事なのですね。
アメリカの対外戦略の変化(アジアからの撤兵)にともなって、
こうした日本の変化は国際的にも自然に受け止められていく流れがあるのでしょう。
北朝鮮の問題は、日本自身のこうした変化への
アシスト作用を期待して、日本の政治指導層が利用してきた、という側面もあると思う。
まぁ、いろいろな情勢変化がこれから出てくることは間違いないですね。
しかし、間違っても、日本が破局的な国際関係に至らないような
なにかの、国際的保険のようなものは必要と思われます。
現状ではそれが、わかりやすく、憲法9条だったのですね。
<写真は沖縄・中城城址から東シナ海>

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