写真はきのう、講演を依頼されて行った
帯広の「とかちプラザ」です。
ちょうど、駅南口側は、再開発されていまして、
とはいっても主に、長崎屋の商業施設と、
市の図書館、ホテル、信金の社屋、この建物などで構成されている街区。
たっぷりとした敷地が確保されて、
これから帯広の街の雰囲気を代表する景観になっていくのでしょうか。
信金社屋と図書館は、ガラスとレンガでイメージが統一されていて、
そのようなデザイン要素に帯広を染め上げる意図が感じられる。
悪くはないけれど、さて受け入れられるのかどうか。
で、この建物は、イメージはほぼガラスと鉄骨。
なんですが、外観の印象とは別に、
このガラスと鉄骨は大きな吹き抜け空間を構成するのが主用途。
内部にはいると、がらんとした大空間が展開しています。
むしろ、アトリウムですね。
建築空間は奥の方に一般的RC建築が立ち上がっています。
こういったコンセプトの建物は、
たぶん、全国で建てられているのでしょうね。
わたしの知りうる範囲でも、仙台メディアテーク、
盛岡駅前のアイーナなど、東京ではそれこそ、こういうのは多い。
日本の建築文化のなかで、ガラスを多用した建築は
いま、ずいぶんたくさん建てられている。
ひとつのプロトタイプがあって、
それを繰り返し採用することで、面としての文化になる。
たぶん、公共的建築の設計採用基準というもの、
だれかの主導的意見で、現代の美が統合される方向に動いていく。
十勝は冬場の日照が飛び抜けていいので、
寒さへの防御性よりも
光の取り入れの方に大きなメリットがある、ということなのでしょうか。
そういったことを、このデザインは表しているのか。
それとも「公共建築」というイメージから、
「透明性」ということが設計表現上、大きなテーマになるものなのか。
まぁいろいろに考えられるところですが、
さて、冬場の暖房用光熱費はどれほどになっているのか、
すこし、興味を持たざるを得ないところ。
日射取得することきはたぶん、少なくて済むと推測できますが、
曇天時から、雪の時など、
どれほど掛かっているものか。
それと、そういったことを含めて設計コンペの
判断基準ってどんなものだったのか、
知りたい欲求に駆られます。
まぁ、こういうアトリウム空間は北国の生活者としては
憧れの気持ちを持つものであり、
建築体験としてはすばらしい。
よく東京にある、壁面全部がガラスというような建築で
日射時は、ことごとくブラインドで遮蔽しているのが多い。
っていうか、日射時が強烈すぎるので、
常時、ブラインド遮蔽している。
それで、エアコンで強制的に温度を下げている。
街中、ガラス面からの反射で、どんどん高温化する、
っていうような光景が展開しているので、
このようなデザインの建物って、
いったい、どうなっていくものか、不安でもあるのです。
みなさん、どう思われるのでしょうか?
Posted on 11月 24th, 2010 by replanmin
Filed under: 「都市の快適」研究
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