やや旧聞に属するけれど、11月末のウォールストリートジャーナルで
インドの「省エネ」事情についてのルポルタージュ記事があった。
日本だけで「省エネ」論を考えていても、その結果は全地球的な気候変動問題。
やはりこれから発展していく地域にとってどうであるか、
とくに民主主義的価値感を共有する発展途上大国インドは、
安倍外交の結果、たいへん親日的なアジアの大国として浮かび上がってきている。
そういう国家社会でこの省エネがどう志向されているかは、重要だと思います。
以下、記事の要旨、わたしが重要と思った部分を抜粋します。
〜インドが推進する最も有望な対策の一つがエネルギー効率のよいエアコン。
エネルギーをめぐる世界の議論ではエネルギー効率は魅力のないテーマで、
太陽光や風力の発電所を設置する取り組みと比べて注目度は低い。
だが次世代のエネルギー需要の増加分のほとんどを占めることが予想される
発展途上国では、エネルギー効率は極めて重要だ。
国際エネルギー機関(IEA)によると、世界のエネルギー消費で
発展途上国が占める割合は2000年には50%を下回っていたが、現在は58%。
2040年にはこの割合が67%にまで上昇するとIEAは予測している。
これらの発展途上国――特にインドやインドネシアなど人口が多い国――では
2030年の時点で利用の住宅やオフィス、公共施設のほとんどはこれから建設。
エネルギー効率を重視すればエネルギー消費も温室効果ガスの排出量も、
建設が必要な発送電インフラの数も大幅に削減できる。<中略>
予想のエネルギー消費増加分の多く――節約可能なとも言える――は
空調によるもの。世界では現在9億台の家庭用エアコンが使われているが、
2050年には25億~37億台にまで増加するとみられている。
IEAによると、エネルギー効率の改善に取り組まなければ、2050年には
世界の建物で使われるエネルギーの増加分のうち、エアコンが4割を占める。
これは現在の米国とドイツの電力消費量の合計に等しい。〜
というようなことで、省エネの人類的中心軸は
こういったことがらになっていくのだろうと思われますね。
で、昨年、大阪で開催された新住協総会でも関西や中国以南地域での
「蒸暑地での室内環境コントロール」問題が真剣に取り組まれていた。
われわれ北方圏地域にとっては、その省エネ仕様の住宅建築技術が
より汎用性を持ち、役に立っていく実感を持てた次第。
さらに人類の省エネといごこち品質向上に、どんなふうに役立ちうるのか、
知恵と工夫が試されていくように思われます。
・・・本日はやや巨視的なテーマでした。
Posted on 1月 18th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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