先日の住宅取材での台所回りの写真です。
住宅事例で最近たいへん多く見掛けるDKの様子であります。
家族数の減少から、また主に調理に関わる主婦が共働きするケースが増えて
家事労働の省力化が大きなテーマになっている。
調理と食事空間が一体化することで、食事回りの「合理化」が計られている。
で、こうした一体空間では、当然、主要機能が
「調理する」と「食べる」のふたつに別れている。
そうすると、それらを一体化させるには「高低差」をつけて対応することになる。
人間は身長が各人でそれぞれ違いがあり、
また調理作業のしやすい高さは微妙に違いがあるし、
同時に「座って食べる」のにも、テーブル面と床面の高低差にも
人によってバラツキがあります。
こうした高低差のために床面が調節されることになる。
このお宅では高低差は15cmと決定されていました。
食卓テーブル面と床面の高さは70cmと決定していたそうなので、
結果としてはキッチン側の作業面の高さは85cmということになった。
このあたりは非常に微妙な感覚の世界ということになる。
「注文住宅」という場合、こういう高低差も決定できる。
こちらのような寸法はまぁ、一般解に近いように思います。
わが家の場合は、台所と食卓が一体ではなかったので、
現在は食卓の高さは65cm程度に設定しています。
ちょうどその寸法をどうするか、考えていたときに東京のカフェショップで
出張時体験した寸法感覚が、いかにも「ちょうど良い」と感じたので
持っていたメジャーで正確に計量して、65cmと確認した。
一般的な高さは70cmと言われるものからすると低め。
この高さは当然、椅子の方の高さにも影響していく。
ややロータイプの方が似合っているということになる。
自宅での食事時間というのは人生時間の中でも相当の時間。
1日2食としても、たぶん1時間はいるでしょう。
夕食時などそのまま家族の語らいの演出空間になっていく。
最近の傾向で言えば、いわゆるリビングよりも、食卓の方が
家族の会話場所としてはより長時間化している。
そう考えると、2時間程度の利用も多いでしょう。
1年で、365時間〜730時間。
「占有率」で考えれば、在宅時間の内、寝室以外ではいちばん長いかも知れない。
そういった空間についての「寸法」的いごこち論。
実に重要なのではないかといつも思っています。
しかしわが家の65cmも、長年のカミさんとのバトルがあった(笑)。
結局、現在の寸法に落ち着いたのは昨年のリフォーム以来。
人間のコミュニケーション、なかなか大変ではありますね(笑)。
Posted on 1月 17th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.