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GW断熱の壁〜続編

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おととい掲載した「GW断熱の壁のなか」の続編です。
ちょうど壁をはがして、GWも撤去した様子の写真がありましたので
いまの「高性能住宅」の基本がわかりやすい、という意味から再度触れます。
左上は外壁のサイディングを撤去したところ。
壁の中が白くなっていますが、これが「透湿防風シート」です。
これは、万が一室内側から水分が入っても、外側の通気層に排除する働きをします。
写真の中に縦の木材が見えますね。
これが「通気胴縁」と呼ばれるもの。
外側のサイディングを接合する下地木材なのですが、
同時に、一定間隔の空洞部が「通気層」になるワケなのです。
右上の写真は「透湿防風シート」をはがしています。写真説明では
「透湿防水シート」となっていますが、同じものです。
内側からの水分放出はできるが、外側からの侵入はできない。
そういう性質を持った紙製品です。
GWは左下の写真のように、ピンと直立していますね。
壁の中でも、このようにきちんと過不足なく収まっているのがよい状態。
無理矢理詰め込んだりしていると、性能がただしく維持できません。
よく、「ぎっちり入っている」なんていいますが、そういうのは、まずい。
正しく言えば、このGWが保持している「静止空気」が断熱の主要件なんです。
つづいて、右下の写真です。
GWを撤去したあとの写真ですが、正面にビニールシートがあります。
透明なのでわかりにくいかな。
これが「気密層」です。これが、断熱材の内側で
しっかりと「連続」している必要があるのです。
この気密層の内側に通常はプラスターボードがあって、内装仕上げがあるわけ。
写真でごらんのように、周辺の木材すべて美しい状態が維持されています。
木材の劣化は、水分が主な原因になります。
家の中の水分が、構造材の木材に蓄積されていくのが「壁体内結露」。
その結果、木材のくされが発生してしまうのですね。
そういうことにならないように、しかも室内があたたかく維持されるために
こういう断熱・気密の仕様が定まってきたのです。
北海道という寒冷地で、よい住環境を得るために
多くの先人のみなさんが工夫してきた英知が、ここに凝縮されているのですね。
ということで、きょうは寒冷地住宅の基本性能講座みたいでしたね。
まぁ、こういう技術の基本は知っておいて損はありません。

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