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【北海道での凍結深度常識と土間文化消失】

北海道の住宅がほぼ一様に放棄したものに瓦屋根とともに土間がある。
寒冷地建築の研究がそれほど進んでいない時期には、
たとえばわたしが60年前に子供時代を過ごした札幌市中央区の家の目前の
幹線道路「石山道路」〜開拓期から建築材料としての石材を切りだして
札幌市内に運んできたその用途のまま、道路名になっていた〜では、
舗装工事が市内でも最初期に施工されたのだけれど、
その後、ほぼ毎年のように再掘削、再工事が掘り返されていた。
子ども心に「なんとムダな公共事業が繰り返されるのか?
これはきっと、国費に巣食う利権集団による浪費に決まっている。
そいつらはぬくぬくとススキノで飲み食いに公費を使っているに違いない」
と、少年らしい公共正義感を燃やす燃料になっていた。
少年期の後半で学生運動に傾斜した起動力ですらあったかも知れない(笑)。
それは、寒冷地の地盤がどのような特性を持っているか、
北海道開発庁、公共自身がよくわかっていなくて、
毎冬に氷点下10数度、30度にまで下がったときに、地盤の水分が凍結して
地盤面に凸凹が出来上がる現象を認知できなかったからでした。
その結果、地盤面凸凹応急補修工事を繰り返していたのですね。
それがようやく「凍結深度」の概念が施工上の欠かせない要点と認識されて
地盤面を大きく深く掘削して道路舗装するようになっていった。
そういった様子を地域の子どもたちですら、噂で聞き目で確認していた。
理解はしたけれど、正義感自体は変わらずに権力悪を糺す方向に向かった。
ムダにエネルギーを燃やした青春を返して欲しい、であります(笑)。

コトバンクに記載されている「凍結深度」の意味は以下の通り。
〜冬場に気温が0度以下に下がるような寒冷地では、地表から下の
一定の深さまで凍結する。この凍結するラインのことを「凍結深度」
または「凍結線」といい、地域によって深さが違う。
地面が凍結すると膨張して地盤が押し上げられるため、建物の基礎の
底板(フーチン)や水道本管からの横引き給水管は、凍結深度より
深いところに設置する必要がある。凍結深度より浅いと、基礎がゆがんだり、
水道管が破裂したりするおそれがある。〜
写真のような日本民家の基本である「土間」が北海道で消えたワケですね。
凍結した地盤面をそのまま家に取り込めば、
巨大な冷凍庫が床下に冬中、あり続ける結果になる。
環境的にそのような選択はどうしてもあり得ないとなるのですね。
その後、温暖地域の建築の方と話したりするときに
この「凍結深度」のことを質問したりすることがあるのですが、
専門家ですら、あまり知識を持っていないケースが多いと気付かされる。
ポエム的な空間性としてはこういう土間は大好きなのですが、
同時に寒冷地としての常識、体験知識が拒否反応させてしまいます。
作るとしたら、この土間下で断熱層を作る必要がありコスト高になる。
こういったことに類縁した認識の「相違」はやはり多いと思います。

近年、日本各地を取材や仕事で走り回るようになって、
東北北部地域などで、どうも凍結深度に配慮していないような道路に遭遇する。
それで逆に北海道の道路の優秀さを知るようになっています。
昔、誤解に基づいて燃やした正義感が、いまはどうも様変わりしてきている。
わたしは大きく「転向」したということなのでしょうか?

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