先々週、北海道庁の「北方型住宅会議」に参加したことは
既報ですが、その前後に「中古住宅流通」に関連して、
民主党北海道の選出国会議員である荒井さとし議員の事務所の所長が
わたしどもの事務所に来られて、議員の国会質問の様子の
資料文書をお届けいただきました。
わたしは訪問を受けたときに不在だったので、
なにやら「道庁での会議を聞いていて」ということだったそうです。
荒井議員は、民主党のネクストキャビネット(影の内閣)国土交通と内閣府の
担当大臣をされているということ。わたしは荒井議員とは面識はありません。
で、4月21日衆議院国土交通委員会で質問された内容を知りました。
読んでみると、政権を一度は担当したことで、民主党でも
こういった住宅政策についての理解を持つ議員がいることがわかりました。
現在の太田国交大臣との一般質問の様子の中で、
いろいろな情報が交わされている様子に、興味を持ちました。
大きな流れとして、国の「成長戦略」策定に民主党政権時、
荒井議員は関わり、そのなかで「中古住宅マーケット」を大きな「成長分野」
として育てていく必要性がある、と国家目標を立てた経緯が見えます。
中古住宅流通マーケットの確立、その育成には
どのような施策が必要なのか、という点について、
認識自体は与野党を問わず、おおむね情報共有されていると言えます。
やはり国、中央省庁という統治機構が持つ情報量と問題意識は
どんな政党であれ、認識は共有できるものだと思います。
おっと、前振りが長くなりすぎた(笑)。
ということなんですが、そのなかでいくつか、興味を持ったことがあり
テーマを絞って、ご紹介していきたいと思います。
本日は、日本の土地所有の状況を把握する
「地籍調査」が進んでいないという実態について。
東日本大震災からの復興での大きな障害として話題になったのですが
実は、現在でも全国平均で51%、東京では22%という状況なのだそうです。
被災地ではむしろ、宮城県88%、岩手県90%と他地域よりも進んでいて
津波被害地域については土地取得が迅速だったとのこと。
ただし、移転する「高台」では、この問題が立ちはだかったそうです。
国民側からするときちんと登記してどんなメリットがあるかわからないので
ほっぽらかしているという実態もあり、また権利関係が複雑にもなっている。
「所有者が判明していない土地について・・・探索するノウハウのとりまとめ」
ということについて、「総合的に検討する」とされていました。
・・・、日本の住宅をどうするかと考えていて、
そもそもの土地の所有把握状況自体が、こうまで不明瞭であるとは、
いささか、びっくりさせられた。
要するに「土地の境界を明確にする」ということが、
さまざまな権利関係について整理整頓することと同義であり、
なかなか進まないということを表しているのでしょう。
森ビルが開発した「六本木ヒルズ」の土地利用に際しての権利関係調整に
5年ほどかかったのだそうです。
歴史では、公地公民の原則が崩れ、荘園制度が進展し、
武家政権が成立してという、一所懸命精神が日本人には強い血脈として
連綿として受け継がれ、争論を生んできた日本史の底流があります。
土地の境界を明確にすることがきわめて難しい実態を見る思いですね。
ふ〜〜む、そこからか、という気分であります。
※写真は、「桃太郎」テーマの紙クロス。
Posted on 6月 9th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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