「カツラの木って、すぐに大きくなるよ」と
いろいろな人から言われ続けていましたが、
事務所のエントランスで来訪者を迎えてくれていたカツラの木、
13年ほど前の植栽当初には2mくらいだったものが、
いまでは6−7mくらいまで順調に生育して、みごとな枝振りを見せていた。
その枝振りが、緑のトンネルをエントランスに作ってくれていた。
毎日、このトンネルを通る癒やしは、心に句読点を与えてくれていた。
たいへん美しい枝振りで、惚れ惚れとしていたのでありますが
残念ながら、自然の摂理のままなので、
枝はみごとに隣地まで伸びていく(泣)・・・。
当初は空き地だったのですが、その後5年ほど前に建物が建った。
はじめのうちは「ステキな木があっていいです」と言っていただけていたのですが
最近になって、ついに隣地の方から苦情が寄せられました。
「木に止まったカラスからのフン害が・・・」ということであります。
これはやむを得ない、ということで、造園屋さんに依頼。
きのう朝から、剪定作業を行ってもらった次第。
街中で樹木を育てるというのは
なかなか、難しいものがあります。
木を植えたり、植栽を施すと、そこに微自然環境が生成し
イキモノたちの輪廻循環条件がもたらされる。
そういった「環境景観」は、多くの人にとっても楽しい環境を形成する。
しかし、私権を侵害はできない。
どのように折り合っていかなければならないか、
都市の中で生きていくルールとの整合性を取っていかなければなりません。
順調に生育して、自然なままの本然の姿を見せてくれていたカツラですが、
今回、人間社会のやむを得ざる事情から
幹の生長点を押さえて、「矮化」させていかなければならなくなった。
「木を切ることはあんまりうれしいことではないと思いますが、
プロとしては、それなりに考えた枝振りにできたと思います」と、
園芸屋さんは言ってくれていました。
オーナーとしては、そういった事情の中でも
今後の姿形を整えてやって、少しでも周辺のみなさんに
うるおいを与える存在であり続けられるように
願いながら、時間の経過を過ごしていきたいと思っています。
Posted on 6月 10th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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