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無意識が投影する人間の環境づくり

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写真は会社事務所のエントランス部分であります。
当社の敷地は、札幌市西区の琴似栄町通という4車線道路に面して
間口が12mくらいなのですが、その道路から建物はセットバックして
ご覧のような「小路」を通ってアクセスします。
仕事でクルマを使うので、その駐車スペース9台分を確保しながら、
右側に寄せて、こんな通路を工夫した次第。
みんながどんな風に受け止めているのかはわかりませんが、
ごく何気ないこういうワンシーンが、わたしの好みであります。

はじめて自分の家を建てたとき、
って、住宅は1軒だけですが(笑)、竣工の時に
お祝いでみんなが来てくれ、あいさつしなければならなくなって
そのときに初めて、どうして自分がブロックの家を建てたか、
突然、邂逅感を味わった経験があります。
というのは、親が田舎から札幌に出てきて食品製造業をはじめて
最初に改造して建てた工場建物が、ブロック造だったことを
そのときになって、突然に思い起こしたのです。
「あ、そっか、俺ってこういうことに知らず知らず、影響されていたんだ」
と、そういう気分を味わったのです。
で、その後、事務所も新築することになって、
結果として、こんな雰囲気のエントランスを作っている。
これって、物心ついたときから13年ほど、ずっと
札幌市中央区の大きな森、植物園を
西側から正対して見続けてきた幼児期視覚体験が
なにか、刷り込まれているように思われてならないのです。
現在の札幌市中央区北3条西11丁目なのですが、
開拓期の札幌の自然の様子をそのままに保存している
この大きな森には、なにか、訴えかけてくるようなものがあった。
時折、捕獲されていたエゾオオカミなどが月夜、鳴き声を上げている
なかなかにワイルドな風情があり、その背景としての森のシルエットを
子守歌のような気分で受け取っていたように思います。

そんな「刷り込まれたもの」が、無意識のうちに感覚の下地になって、
人間が「作り出すモノ」に微妙に投影されていくのではないか。
いま、自宅をメンテナンスしたり、事務所の環境保守管理を
し続けていて、そんな思いを反芻しております。

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