先日触れた、民主党ネクストキャビネットの「国交大臣」
荒井さとし議員の国会質問から、ポイントピックアップであります。
本日は、中古自動車と中古住宅マーケットの対比です。
上の表は、国交省の発表する日本の「住宅流通」の実態。
新築住宅が住宅取得の中心で、中古流通の割合は17%程度という現状。
それに対して、クルマの方を見てみると
2014年で新車が556万台に対して、中古車は375万台。
クルマの総購入機会に対する中古の割合は、40%以上になっている。
荒井議員の質問では、この対比で「マーケットの創出」に関して触れている。
かつて、自動車産業に於いて
「中古自動車というのは、なかなか売れない」
「中古自動車が売れたら、新車が売れなくなる」
とメーカーの対応が非常にネガティブだった結果、中古市場が伸びなかった。
それがある時期から、一気に伸び出した、とされていました。
で、その中古自動車の流通促進のために、どんな手を打ったのか
そういった質問展開をしていました。
クルマと住宅がまったく同じような展開になるのかどうか、
そのあたりは不明とは思いますが、
やはり流通活性化の要件整備として、大いに参考になると言えるでしょう。
この要件整備の経験値を持っているのは経産省。
その基本方針・方策の答弁では、
●中古車の仕入における正確、適正な査定・値付け
●販売に於いて、いかにそのことが情報提供されるか
との2つのポイントが挙げられていた。
で、その具体的な施策としては以下のようなこと。
・「走行メーター」を不正に操作して巻き戻す問題が起こったときに
走行メーター管理システムの普及がまず取り組まれた。
・中古車価格、機能を公正に評価する「自動車査定士制度」の創設。
・買い取り専業店の適正化。
こういった施策が逐次、市場に導入されていったとのことです。
こうした答弁を踏まえて荒井議員から、
「優良で良心的な事業者が残るようなシステム、やはり
査定のシステムの整備、徹底という施策がいちばん効果的だった」
というように補足されていました。
やはり、この「査定」制度をしっかり作るのが、キモだと思います。
住宅に於いても、この中古の査定にあたって、
どのような公正なモノサシを作りだし、機能させるかがポイント。
こういうふうに「国会審議」が利用され政策に目に見えて反映するのは
たいへんいいことだと思います。
与党も野党もなく、というか、むしろ大事なのは、
質問を展開する野党の側の方で
かれらがしっかりした「産業育成」的な視点を持っていれば、
国の富や「産業活力」創造にかなり寄与できるのではないかと
そんなふうに思えた次第です。ふむふむ・・・。
Posted on 6月 12th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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