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刀や矢なのか。政権延命の道具としての原発

困ったことがどんどん進行している。
「刀折れ、矢尽きるまで・・・」
というように自らの政権維持への思いを国会で語っている菅直人政権。
かれは、その「戦い」を、何のためにやっているのかといえば、
ひたすら、権力の座に居続けたいということだけ。
本来、政治というのはなにかを変えるとか、
そういう主義主張を実現するための手段であるべきだ。
代議制民主主義の基本は、そういうところであって、
目的を喪失した権力維持だけの個人としての欲望実現ではない。

で、とうとう、
原発をその延命の直接的手段に使い始めた。というよりも、
反原発で政権を維持できると、にわかな思いつきで考えはじめている。
民主党は、別にそういう政策を前から公約してはいないだろう。
また、菅直人さんが政治理念としてそういう考えであるとも聞いたことはない。
原発自体の安全性を高める必要は言うまでもないけれど、
だからといって、エネルギー供給全般への配慮を抜きに政策転換したら
この夏の電力供給はさらに追い詰められ、
本当に日本国籍の「多国籍」大企業が、海外移転しかねない。
企業経営にとっては、いまの権力者によるこの国の政策決定プロセスは
あまりにもリスクがありすぎるし、信頼できないだろう。
経済産業大臣がきのうまで言ってきたことを、
簡単に朝令暮改させている。
エネルギー政策というのは、国家運営の基本に関わる決定事項だと思う。
国の政策決定を変えたいというのなら、
そしてそういう本当の意味での決心があるのなら、
権力者はもっと真剣な論議と周到な準備を持って、大義として実現すべきだ。
しかし、底が透けて見える丸見えの、
「1日でも長く権力の座にいたい」ということだけのために、
こんなに危険な決定の仕方、論議の仕方をする。
大地震、原発事故、そして政治のどうしようもない、存在自体の「空白」。
天変地異による災害は仕方がないけれど、
どうもこの4ヶ月にわたって続いている出口なし状況は、
いよいよ、危機として際だってきているのではないか。

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