アメリカ大統領選挙。時々刻々と情勢が流動していて最後まで混迷すると
事前のアナウンスが喧しかったけれど、どうもそのシナリオが現実化してきた。
テキサスやフロリダという激戦が伝えられていた州ではトランプ勝利。
カリフォルニアやNYという人口密集地域では最初から民主党優勢だったけれど、
本当の勝敗の分岐点は、スウィングステートの帰趨だといわれ、
事実その通りの展開になってきている。開票も進んでいない様子。
まだ各州での「不正」までが云々されている段階で、推移は微妙な情勢。
万が一、不正の事実が証明されたら民意がどう動くかわからない。
ただいずれにせよ、事前にアメリカのマスメディアが伝えていたような
バイデンの圧倒的優勢という報道ぶりの不見識は露わになった。
あきらかな「情報操作」だったことがあぶり出されてきている。
まぁアメリカメディアはハッキリと党派性を謳っているので正直ともいえる。
一方でアメリカメディア以上のバイアスが顕著な日本のマスメディアは
その「報道」姿勢においてあまりにも問題が多いと思わざるを得ない。
トランプの「善戦」ぶりからは、英米社会のエスタブリッシュ・エリート批判が
今後とも大きなうねりなのだと示されているだろう。
さて、世界のたったひとつだけの「同盟国」である以上、
アメリカの動向は日本にとって安全保障・存立の根幹に関わる大事だと思う。
政権の帰趨があきらかになるまでは対米で行動を起こすことは難しい。
現状ではバイデン民主党の手中に権力が収まる可能性も高い。
トランプ政権が継続すれば戦略はそのままで日米関係は推移するだろうけれど
バイデンが対手となれば、日本の基本戦略も練り直しを迫られる。
そもそも日本の憲法など占領政策は米民主党左派の「置き土産」色が強い。
高齢・認知症疑惑でその失言ぶりが知られるバイデン大統領となれば、
民主党の「集団指導体制」的な権力になる可能性が高い。
共産主義者といわれるサンダースまでが「何々長官になる」と
テレビで発言しているとされるので、バイデン自身の権力意志というより
個別の「長官」による分割統治に近い権力体制になるのではないか。
そうだとすれば、対応はそれこそ複眼的なやり方になっていくだろう。
また、明確な指導理念とか指導力というものは見えにくいかも知れない。
なにより「反トランプ」政権という性格が一番の特徴であって、
個別政策では世界への強いリーダーシップは当面望めないように思う。
それを見越して中国がどう対応してくるかが最大の危機要因。
どう考えてもアメリカの国際パワーの相対的低下は免れない。
たぶん日本はトランプ政権時よりも中国から攻撃が強められる可能性がある。
場合によっては台湾侵攻とワンセットで尖閣強襲があり得るのではないか。
ANTIFAやBLMを容認する姿勢のバイデン政権で対中国政策がどうなるか、
親中派のスーザン・ライスが国務長官候補という一部報道も見られた。
日米豪印の準同盟関係構想や、ファイブアイズへの日本参加なども
どう展開していくのか、見通しは立ちにくい。
しかしアメリカが混乱するほど、日本の「自立」も現実テーマにならざるを得ない。
もしアメリカの影響力が今後大きく低下し日米安保が動揺する場合、
国際関係で日本はどう位置取りすべきか迫られることになるのは自明。
ごく一時期を除いて、歴史的に見て対中迎合姿勢は日本には馴染まない。
そこから導かれる流れとして戦略的「自立」やむなしとなったとき
いまの自縛・自虐的憲法体制でそれは可能か、冷静な選択が迫られるのでは?
世界は固唾を飲んで、アメリカ大統領選挙の対応作戦会議に
いま没頭させられていることだけは間違いがない。・・・
Posted on 11月 6th, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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